独身女性がマンション購入後に結婚したらどうする?賃貸、売却の選択肢と手続きについて

独身女性がマンション購入後に結婚したらどうする?賃貸、売却の選択肢と手続きについて

独身女性がマンションを購入の後、結婚が決まったらそのマンションはどうすればよいのでしょうか?

女性はライフスタイルが変わるのでマンション購入に踏み切れない人もいるのでは。結婚後に購入したマンションをどうするのが良いのか、その方法をご紹介します。

女性のマンション購入で気になる「結婚」

今、独身女性のマンション購入者が増えています。その理由は1つではありませんが、その中でも大きいのが晩婚化です。

厚生労働省が発表している人口動態統計(2017年) を見ると、女性の初婚平均年齢は29.4歳です。

しかもこの年齢は毎年上がり続けていて、例えば1995年には初婚年齢が35~39歳の割合はわずか3.84%でしたが、2017年には10.89%となっています。 この傾向はさらに加速していきます。

一般的に金融機関は、住宅ローンの完済年齢を80歳未満と定めていて、できれば44歳までに購入すると住宅ローンは35年利用できます。

また近年、女性の社会進出が進み、男性と同様に結婚・出産後も働くことを期待されています。

そこで経済力を持った女性は、結婚をしている、していないに関わらず、自身の快適な暮らしを実現する手段として、マンションを購入するようになっているのです。

女性は結婚により住居が変わる可能性がある

独身であってもマンション購入をする女性が増えてはいますが、マンション購入を検討しつつ二の足を踏んでいる独身女性は少なくはありません。

住宅ローンを考えれば、購入の決断はできるだけ早いほうが将来的な資金計画は楽になります。

例えば30代前半で購入すれば、30年ローンを組んでも60代前半には支払いが完了します。

しかし40歳手前、もしくは40歳を過ぎてしまうと、いくら80歳までは住宅ローンの借り入れが可能だとしても、70代後半になってまだローン支払いを続けていくのは、現実問題としてかなり厳しくなります。

実際のほとんどの独身女性は、毎年こつこつと繰り上げ返済をして15~20年でローン完済しています。

ただ、早い段階、つまり比較的若いうちにマンション購入を決断して、その後に結婚をした場合、どのようにしているのでしょうか。

冒頭でも触れたように、現在は30代後半で結婚する女性が増えています。

購入の段階で結婚の予定はなくても、その後結婚が決まれば、1LDKでは手狭になります。せっかくマンションを購入しても、その後のことが心配なのかもしれません。

しかし、そうした心配をする必要もなくなっています。以前に比べ金利やマンションの価格が低く、都心であっても賃貸に住むより購入したほうが毎月の支払いを安く抑えることも可能です。

仮に数年後に結婚をする可能性があるとしても、エリアやマンションの選択さえ間違えなければ、売却したり賃貸に出したりすることができます。

そうした意味では、独身であってもなくても、家賃を払い続けるだけで自分のものにはならない賃貸に長く住むよりも、自分の気に入ったマンションを見つけ、快適に暮らすほうがメリットも多いといえます。

もうひとつは親との同居も視野に入れておく

独身であってもマンションを購入する女性が増えた別の理由として、高齢になった親との同居問題があります。

超少子高齢化が進む日本において、2012年の段階ですでに、総人口の中で、65歳以上の人口が占める割合は24.1%とほぼ5人に1人が高齢者となっています。 そこで問題となるのが親との同居です。

自分以外に親の面倒をみてくれる兄弟姉妹がいる、すでに高齢者用の住宅に住んでいるといった場合は別です。

しかし、将来的に自分が親の面倒をみなくてはならないといった場合、それも視野に入れた住まいの選択が求められます。

将来的に親との同居を視野に入れる場合、賃貸であれば家賃を払い続けなければならない不安が残ります。

その点、自分のマンションで家賃の心配をせずに親と同居できます。

そういった意味では、未婚・既婚や性別に関わらず自分の生活設計や将来のライフスタイルに合わせてマンションを購入する時代になっているのです。

結婚を機にマンションを賃貸へ出す

独身でマンションを購入し、その後に結婚することになった場合。マンションの処遇について、ベストな選択はなんでしょうか?

基本的に、購入したマンションを活用する方法は2つあります。

1つは賃貸物件として他人に貸し出し、家賃収入を得る方法。もう1つが1LDKを2LDK~3LDKに買い替える方法です。

まずは、結婚を機にマンションを賃貸に出す場合のメリットとデメリット。そして賃貸にするにはどういった手続きが必要なのかについてご説明します。

賃貸を選択するメリットとデメリット

・賃貸を選択するメリット

購入したマンションを賃貸にすることの最大のメリットは、家賃収入が得られることです。

マンションを自分の資産として保有したまま収入を得られることは、資産活用の大きなメリットです。

また自分が住んでいるときに支払っていた住宅ローンの金利や固定資産税も、賃貸にすることで経費として認められるようになり、収入から控除されるため税金が安くなる場合があります。

一般的に、分譲マンションは賃貸マンションに比べ構造や設備のクオリティーが高いので、同じエリアで同じ広さ、同レベルの設備の賃貸マンションより高い家賃を設定しても、入居者が付きやすいのもメリットといえます。



・賃貸を選択するデメリット

賃貸を選択することのデメリットは、入居者がいなければ収入にならないことです。

分譲マンションの賃貸が人気とはいえ、必ずしも常に入居者がいるとは限りません。入居者がいなければ収入はゼロで、ローン返済と管理費用を自分で捻出していく必要があります。

そのために、人気のあるエリアで駅近・新築マンションを選ぶことが大切です。

また、経費として控除できるものの、新たな入居者を入れるためのクリーニングの手間がかかります。

また入居者が隣人とトラブルになる、家賃未納がある、火災や事件を起こしてしまうなど、さまざまなリスクを抱える可能性もあります。

そのために、賃貸募集や運営管理は安心できる管理会社に任せてしまう方がおススメです。管理会社に支払う手数料は家賃の5~10%かかります。

ほかにも、賃貸に出したマンションのローンが残っている状態で次の新居のローンを組む場合、ローンの知識が必要です。

これらを踏まえると、空き室の心配がなく、あくまで資産として所有しておきたいという場合は賃貸がおススメです。

また「将来的にまた住みたくなるかもしれない。今すぐには決断できない」と迷いがあるのであれば、焦って売却せずに賃貸にするのがよいでしょう。

賃貸へ出す際の手続きについて

所有しているマンションを賃貸にする際の手続きですが、基本的には賃貸管理をしてくれる不動産会社に一任すれば、自分でやることはそれほど多くありません。

物件を持って人がやるべきことは、信頼できる不動産会社を見つけることで、賃貸に出すうえでもっとも重要なポイントといえるでしょう。

不動産会社との契約は、入居者の募集、決定のすべてを不動産会社が行う「代理契約」、入居者の募集は不動産会社が行い、その決定は自分で行う「媒介契約」のどちらかになります。

ただし、どちらの契約にするにしても、入居者トラブルのリスクに備えるために、保険をかけたり入居に関する条件はしっかりと話し合っておくようにします。

不動産会社との契約の際に、特別な規定はありません。

間取り図、マンションの管理規約・使用細則、設備関係書類、入居者内覧の際に使う鍵、本人確認書類、印鑑などを用意しておけば問題はありませんが、詳細については、不動産会社に確認しましょう。

次に入居者との契約形態ですが、基本的には「普通借家契約」と「定期借家契約」のどちらかになります。

もしまた自分が住む、もしくは売却する予定があるのであれば、定期借家契約にして、事前に契約期間を定めておくのがよいでしょう。

普通借家契約にすると、仮に売却しなければならなくなったとしても、原則として入居者を強制的に退去させることはできません。

結婚を機にマンションを売却する

続いて所有マンションを売却する際のメリットとデメリット、そして手続きについてご説明します。

売却を選択するメリットとデメリット

・売却を選択するメリット

所有マンションを売却するメリットは、まとまったお金が入ることです。

継続的に家賃収入を得ることができる賃貸と違い、新規物件購入の頭金にすることができます。

資産としてマンションを残すことはできませんが、空き室や入居者トラブルといった不安がなく、一括で売却したお金でローンを完済することができますし、差額は手元に残ります。

また売却することで自身の所有物ではなくなるため、リフォーム費用、マンションの管理費・修繕積立金、固定資産税といった費用の支払いがなくなるうえ、残り年数分の火災・地震保険料や住宅ローン保証金が戻ってきます。

ほかにも、賃貸にして入居者が入る間は収入がありますが、入居者がいなくなり、売却することになった際には、その時の相場で売却金額は決まります。

そのため、転居が決まった築年数の浅い時点であれば、高い価格で売却できる可能性があります。そのため、初めて買うときには新築をおススメしています。

・売却を選択することのデメリット

実は購入したマンションを売却するデメリットはほとんどありません。

もちろん売却する際に不動産会社に依頼することになるため、仲介手数料がかかります。

また買い替えすることで利益があっても税金が控除になる税制もあります。もちろん利益がない場合、税金はかかりません。

ただし、売却したくても買い手がつかずにすぐに売却できない。

また購入したときに比べマンションの価値が下落し、売却はできたものの、ローン完済できるほどの金額を得られない、といった場合があります。

これは売却を選択する際に起こり得ることとして、理解しておかなければならないでしょう。その時は、賃貸でいったん貸して、状況を待つことです。

基本的に所有マンションを売却するうえでデメリットはそれほどなく、メリットのほうが多いといえます。

ただし所有マンションの売却が完了した際は銀行から抵当権を外してもらうため、住宅ローンの全額を一括返済しなければなりません。

もし売却した金額よりもローン残額のほうが多い場合は、別に資金を準備し不足分を補う必要があります。その時は売却しなければよいのです。

売却する際の手続きについて

所有マンションの売却でまずやるべきことは、価格査定です。

自分のマンションがいくらで売却できるのかを不動産会社に査定してもらいます。

すでに住宅ローンが完済していれば問題ありませんが、完済していない場合、査定額がローン残額よりも低ければ、不足分の準備をしなければなりません。

不動産会社はローン残額までは把握していないため、価格査定は必ず行います。

売却に必要な書類は、マンション引き渡し時に受け取っている権利証、もしくは登記識別情報といわれる書類。

そして売買契約書です。また不動産会社との相談をスムーズに行うには、はじめに買ったときのパンフレットや図面集と住宅ローンの支払い明細を用意しておくとよいでしょう。

不動産会社との売却依頼は、複数社と可能な「一般媒介契約」、一社のみの契約になる「専任媒介契約」の2つから選択します。

ちなみに契約期間はどれも3カ月が上限ですが、売却できない場合は更新するのが一般的です。

買主からどういった価格や条件で購入したいかという情報を記載した買付証明書(購入申込書)を受け取り、内容に問題がなければ売買契約を結びます。

ただし、この購入申込書に法的拘束力はありませんので、受け取ったら早急な対応が必要です。

賃貸や売却がしやすい不動産の条件

購入したマンションを賃貸するにしろ、売却するにしろ重要なことは、借主、買主が見つからなければどうすることもできないことです。

空き家の状態が長く続くということは、いかにそれが資産であろうと、マイナスを生み続けることになります。

そこで購入する時点で考えておきたい賃貸、売却がしやすい不動産の条件についてご説明します。

初めは新築・都心・駅近を選ぶ

女性が快適に暮らしていくうえで重視してほしいのは、立地と築年数です。

まず立地についてですが、東京であれば東京駅のある千代田区を中心に、半径25km圏内までの場所が資産性、快適性ともに高い立地でおススメです。

そして資産性と快適性の高いマンションを選ぶもう1つのポイントは、駅から歩いて10分以内にあることです。

駅から近い立地は空き地が少なく、新築マンションが建ちにくいからです。つまり競合が少ないということなので、賃貸にした場合には空き室リスクが少なく、売却する際にも有利です。

続いて新築がおススメの理由について。それは建築構造が中古よりもしっかりしているケースが多いこと、フラット35などの公的融資が利用しやすいため、資金面において有利な計画ができるからです。

間取りは1LDK~2LDKであること

立地、築年数の次に重視すべきポイントは間取りです。おススメは1LDK~2LDKです。

その理由としては、このぐらいの広さであれば結婚しても、子どもが生まれるまでは2人で十分に暮らしていけるからです。

現在の超低金利時代においては、1LDKのマンションであれば、毎月のローン返済額が賃貸マンションの家賃相当額か、それよりも安い返済額になることもあり、プラスになるケースもあります。

また、マンション全体を見ても1LDK~4LDKまで揃った大型マンションではなく、1LDK~2LDK中心のシングル・ディンクス向けの物件がおススメです。

マンションは、ターゲットとする入居者によって、共用部分などが対象者に合うようにプランニングされています。

ファミリー向けではあれば大掛かりな立体駐車場、キッズルーム、ゲストルームなどを備えている場合があり、これら施設の費用も入居者負担になります。

シングル・ディンクス向けであれば、共有施設がシンプルで、入居者の費用負担を低く抑えることができます。

また、1LDK~2LDKといったマンションは、ライフスタイルが似た人が多いため、女性1人でも安心して暮らすことができます。

これは後にセールスポイントとしてアピールできますので、賃貸、売却どちらにしても有利になります。

まとめ

結婚をすることになっても大丈夫!マンション選びは夫選びと一緒

現在は独身女性であっても、マンションを購入できる時代で多くの人が実現しています。

未婚既婚に関わらず、自身の将来のライフスタイル、資金計画を考慮したうえでマンション購入をするのがよいでしょう。

マンション選びにおいては、見かけばかりを気にして選択すると失敗に終わる可能性が高くなります。

女性は「おしゃれ」「かわいい」などデザインに目が行きがちで、部屋の階数や中部屋、角部屋、住宅設備の性能などは後回しになる傾向があります。

マンション選びは夫選びと同様で、ルックスが自分好みなど外見ではなく、健康で誠実な人柄の男性を選んだほうが良いのと似ています。

マンションも見かけではなく、丈夫さや利便性、快適性などを備えた、長く付き合っていける物件を探すことが大切です。

見かけに惑わされることなく、地質、地盤、建物の建築構造、長期修繕計画、管理セキュリティーなど、一見、地味な部分こそしっかりと確認して見極めることが、後悔しないマンション選びのポイントといえるでしょう。

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