女性のマンション購入・住宅ローン審査事例集!年齢・収入・勤務期間など

女性のマンション購入・住宅ローン審査事例集!年齢・収入・勤務期間など

独身女性のマンションを購入が増えてきていますが、購入の際の住宅ローン審査の実態はどうなっているのでしょうか?

女性にも活用しやすい独立行政法人住宅支援機構「フラット35」と、年齢や収入、勤務期間などの実例をもとにご紹介します。

女性のマンション購入は増えている

女性、特に独身女性のマンション購入は働く女性の増加と共に増えています。

例えば「女性のための快適住まいづくり研究会」の会員数は、2007年に4万1620人でしたが、2019年1月には9万1280人と約2.2倍になっています。

また、香川県高松市に本社を置く穴吹興産の調査でも、2014年以降の住宅購入者のうち10%は女性の単身世帯という結果が出ています。

さらに、首都圏のスーモカウンターに購入相談に訪れる独身女性の割合も、2014年には3.7%だったのが、2016年には9.9%と約2.6倍にも増えています。

これらの調査などから、独身女性がマンション購入に積極的になっていることがわかります。

マンションを購入する独身女性が増えている理由はさまざまで、一つではありません。その中でも最大の要因は、女性の初婚年齢が上がっている点が挙げられます。


厚生労働省が2018年1月に発表した人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」によると、1995年には27.3歳でしたが、20年後の2017年には31.0歳と30歳を超えています。

また離婚率、結婚を選択しない女性の増加なども、結果として独身女性のマンション購入の増加につながっているといえるでしょう。

2014年6月に発表された政府の成長戦略の中で、2020年までに「企業などで指導的地位を占める女性の割合を30%にする」という目標が掲げられたことも、要因の一つです。

現状は、必ずしも30%という数字に近づいているとは言えない部分もありますが、女性の給与は少しずつながらも上昇しています。

そして、給与アップに合わせるかのように女性向けの単身用マンションが増え、以前よりも選択肢が広がっていることも、女性がマンションを購入する要因となっています。

ここで挙げた独身女性がマンションを購入する要因は、今後もそれほど大きくは変わらないと推測できることから、女性のマンション購入はさらに増えていくと考えられます。

女性の住宅ローンについて

住宅ローンの種類

マンションを購入するうえで、考えなくてはならないことは立地、予算、間取りなどいくつもありますが、その中でも重要なポイントは予算です。

自分にとって、「どのくらいの予算であれば支払いが可能なのか」といった資金計画をしっかりと立てることが、自分に合ったマンションを購入するための最大のポイントです。

女性、男性に関わらずマンションを購入する際、一括で支払いをする人はほとんどいないでしょう。一般的には、住宅ローンを活用して支払います。そして、多くの人が利用する住宅ローンは、大きく3つに分けることができます。


(1)公的ローン
公的ローンとは、財形貯蓄を1年以上継続した人が利用できる「財形住宅融資」、県や市町村が、そこに住んでいる、もしくは勤務している人に対して行う「自治体融資」の2つがあります。財形住宅融資では、財形貯蓄の残高の10倍(最高4000万円)まで借りることができます。

(2)民間ローン
民間ローンは、銀行や住宅販売業者といった民間業者による住宅ローンです。
銀行や信用金庫、住宅ローン専門会社、生命保険会社などが貸し出すもの、住宅販売業者が銀行や信用金庫と提携する形で提供するものがありますが、ほかに勤務先企業で独自にローンを提供している場合もあります。

(3) 公的+民間ローン
3つめは、公的ローンと民間ローンの中間に位置する住宅ローンです。詳しくは後述しますが、民間の金融機関と公的機関が提携して融資を行っています。

住宅ローン審査が通りやすい「フラット35」の特徴

「フラット35」とは、民間金融機関が融資した住宅ローンを、公的機関である住宅金融支援機構が譲り受け、その住宅ローンを裏付けとして資金調達を行うものです。

申し込み要件や保証料、繰り上げ返済手数料の金額など、ローンの概要を住宅金融支援機構が全国共通で定めます。

しかし、融資に対する金利、手数料、申し込み時に必要な提出書類といったものはすべて民間の金融機関が決めるため、どの金融機関で融資を受けるかによって異なります。

また、新築だけでなく中古も同じ融資条件で利用は可能ですが、リフォームのための資金としては利用できません。

ただし中古住宅の購入と併せてリフォームを行う場合に限り、「フラット35(リフォーム一体型)」の利用で借入することができます。

フラット35の特徴は、主に次の3つが挙げられます。

(1)全期間固定金利型であること
フラット35は最長で35年の住宅ローンを組むことができますが、その借入期間中、金利が変わることはありません。

(2)保証料、繰り上げ返済手数料0円であること
住宅ローンを利用する際に必要な保証料がかからないうえ、保証人も不要です。また繰り上げ返済や返済方法の変更にかかる手数料も0円です。

(3)団体信用生命保険の加入が任意であること
銀行や信用金庫といった民間の金融機関が提供する住宅ローンは、基本的に団体信用生命保険の加入は必須となっています。

そのため、健康に問題があるといった理由で団体信用生命保険に加入できない場合は、住宅ローンの契約ができません。フラット35は団体信用生命保険の加入が任意なので、健康上の問題があったとしても、融資を受けることが可能です。

「フラット35」の申込み条件

フラット35の申し込み条件は次の通りです。

・年齢
70歳未満(ただし親子リレー返済を利用する場合は、70歳以上でも申し込み可能)

・最低年収
制限なし(ただし年収に占めるすべての借入の年間合計返済額の割合が、400万円未満の場合で30%以下、400万円以上の場合で35%以下であること)

・国籍
日本国籍を持っている人。永住許可を受けている、もしくは特別永住者の人

・融資対象となる住宅
申し込み本人、または親族が自ら住むための住宅であること(投資目的は融資対象外)。
建設費または購入価格が1億円以下であること。
耐久性など一定の技術基準を満たしていること。

上記が条件となります。

新築住宅の場合、借入申込日において竣工から2年以内の住宅で、人が住んだことがないこと。

中古住宅の場合は、借入申込日において築後年数が2年を超えている住宅、または既に人が住んだことがあること。

さらにマンションの場合は、床面積が30㎡を超えていなくてはなりません。

「フラット35」のメリットとデメリット

では、マンション購入でフラット35を利用する場合のメリットとデメリットについてご説明します。

フラット35のメリット

(1)全期間固定金利型のため、返済終了までの借入金利と返済額が確定する
フラット35の特徴でもご紹介しましたが、金利が変動しない全期間固定金利型のため、返済終了までにいくら支払わなければいけないかが明確にわかります。

これは資金計画を立てるうえで大きなメリットとなります。仮に将来的に金利が上がった場合でも、金利が低いままで支払いをしていけることも全期間固定金利型のメリットです。

女性は結婚したり子どもを産んだりとライフステージが変化し、収入も変わる可能性があります。

そのため、全期間固定金利で月々の支払額が一定であることは、マネープランを立てるうえでとても便利です。



(2)保証料、繰り上げ返済手数料が0円のため、余計な出費を抑えられる

一般的にマンションの住宅ローンはマンションを購入する、もしくは中古でリフォームを含めて購入するための費用しか借りることはできません。

そのため、登記や管理費、修繕積立金、そして住宅ローンの保証料といった諸経費はすべて自己負担となります。

入居時は、引っ越しや家財道具、電気製品などの購入でお金がかかるため、少しでも自己資金を使うことは避けたいところです。

フラット35であれば、この諸経費の中でも比較的高額な保証料が0円のため、自己資金の出費を抑えることができます。ただしフラット35は保証料は0円ですが、借入手数料は融資期間によって数万円~数十万円と幅がありますので確認が必要です。

次に、繰り上げ返済手数料についても0円です。

インターネットで支払いする場合は10万円、銀行窓口であれば100万円と最低支払金額に設定はあるものの、ボーナスや臨時収入があったタイミングで、手数料を気にせず繰り上げ返済ができることは、大きなメリットといえます。



(3)審査も比較的通りやすい

フラット35は民間融資に比べ、審査が通りやすいと言われています。

その理由として、審査をするのは民間の金融機関ですが、実際の資金は公的機関である住宅金融支援機構が譲り受け、それを融資するという流れのため、万が一の際でも民間の金融機関にリスクが少ないことが挙げられます。

またフラット35には年収・勤務形態・勤続年数に基準がありません。

そのため、パートや非正規雇用、個人事業主など、ほかの住宅ローンでは審査が通りにくい人であっても、住宅ローンを含めたローンの借入総額が一定の基準を超えていなければ通る可能性が高くなります。

近年は、「家賃を払うのであれば、それと同じくらいのローンでマンションを購入したい」という若い女性も、少なくありません。

「契約社員で、勤め先での勤続年数も1年ぐらい」など、銀行などの金融機関では融資が難しい場合も、フラット35は審査が緩めに設定されているため、転職間もない女性であってもマンションを購入することができます。

さらに、フラット35は団体信用生命保険の加入が任意となっています。つまり健康面に多少の問題があり、ほかの住宅ローンで断られてしまった場合でもフラット35であれば断られる心配がありません。これもフラット35の審査が通りやすいといわれる理由の一つであり、メリットの一つともいえるでしょう。



フラット35のデメリット

多くのメリットを持つフラット35ですが、デメリットもあります。ここでは、その代表的なものをいくつかご紹介します。

(1)返済途中で金利が下がっても、高いままの金利を払わなくてはならない

全期間固定金利型は、支払金額が明確であり、返済途中で金利が上がっても低いままで返済を続けていけるというメリットがありますが、逆に返済途中で金利が下がった場合は、高い金利のままで返済を続けなくてはなりません。

これは全期間固定金利型のデメリットです。そのため借入のタイミングはしっかりと見極める必要があります。



(2)借入時にある程度の自己資金がないと高金利になる
フラット35は、借入時の自己資金額によって金利が変動します。具体的には、自己資金が借入金額の1割を上回るか、下回るかで0.4~0.5%も金利が変わることもあります。

また固定金利は、変動金利に比べローン全体で支払う金額が明確ですが、その分、金利が高くなります。そのため総返済額で見ると、社会状況によっては変動金利よりも高くなる場合もあります。



(3)中古マンションを購入する場合、事務手数料がかかる
マンションの購入でフラット35の融資を受けるためには、先述したように床面積が30㎡を超えていなければなりません。

しかし中古マンションの場合、条件はそれだけではありません。

住宅金融支援機構の定める技術基準に適合しているかどうかを、検査機関または適合証明技術者による検査(物件検査)を受ける必要があります。そしてその検査を行うための事務手数料がかかります。

ただし、住宅金融支援機構が定める技術基準に適合していることをあらかじめ確認した中古マンション「中古マンションらくらくフラット35」であればその物件検査は省略できますが、購入できるマンションの選択肢が限定されてしまうというデメリットがあります。

審査を依頼しておきたい女性を優遇した住宅ローン

審査依頼は通常2つ~3つを推奨しています。

その理由は各銀行により融資諸条件が異なり、よりよい条件での銀行を選ぶことができるからです。ここでは女性を優遇した各住宅ローン商品をあらためてご紹介しておきます。(なお、金利はすべて2019年1月現在のものです)。

ARUHI(フラット35)

フラット35の金利は、自己負担率が9割以上か9割以下かによって大きく変わってきます。

また、融資を行う金融機関によっても差はあります。ちなみに、新機構団体信用生命保険の借入金利水準は次の通りです(取扱金融機関が提供する金利の範囲と最も多い金利)。

フラット35の中でもARUHIでは女性の場合、『8疾病保障特約プレミアム』・『失業保障特約三ツ星くん』の保険料が半額になるというメリットがあります。

『8疾病保障特約プレミアム』は、病気やけがで入院した場合、10万円が一時金として支払われる上、8疾病により就業不能状態が12ヶ月を超えて継続した場合 ローン残高が0円になるという保険です。

『失業保障特約三ツ星くん』は非自発的に失業してしまった場合でも最長6か月の支払いを保証してくれる保険ですので、万一の際にも安心ですよね(※)

※諸条件がございますので詳しくはHPをご覧ください。

りそな銀行(女性向け住宅ローン「凛next」)

りそな銀行の女性向け住宅ローン「凛next」は3大疾病保障特約、ローン返済支援保険が付き、繰り上げ返済手数料が無料となっていて、金利は次の通りです。

・新規借り入れの場合:
最大 年2.0005% ※「融資手数料型」利用の場合

・借り換えの場合:
最大 年1.85%

りそな銀行では、これのほかにフラット35を利用した女性向け住宅ローン「凛 lin」もあり、こちらの金利は、1.330%となっています(借入期間21年以上、店頭表示金利、融資率9割以内の場合)。

住信SBIネット銀行(Angelina)

住信SBIネット銀行では女性のお客様は、通常の「全疾病保障」に加えて、「ガン診断給付金特約」を基本付帯としているため、借り入れから3か月経過後にガンと診断された場合、診断給付金30万円が支給されます。(支給には諸条件がございます)

女性の住宅ローン審査事例

27歳、正社員、年収400万円佐藤さん(仮)の住宅ローン審査

年齢:27歳
雇用形態:正社員
年収:400万円
勤務期間:1年半
ローン審査借入額:2350万円
購入物件:中古マンション

築17年くらいの中古マンションで、駅から徒歩4分、スーパーやコンビニが1分のところにある物件を購入しました。

同じタイプの賃貸不動産が家賃10万円だったため、購入した方が住居費も下がるし資産になると考え購入しました。

年収400万円なかったかもしれないので、当時はローン審査が通るかどうか不安でした。住宅ローンは3銀行に審査依頼し、2つ通りました。

25歳、正社員、年収450万円鈴木さん(仮)の住宅ローン審査

年齢:25歳
雇用形態:正社員
年収:450万円
勤務期間:1年半
ローン審査借入額:2980万円
購入物件:新築マンション

新築で、都心に近くい駅近辺の物件を購入しました。

住宅ローンは2銀行に審査依頼をしましたが、1行は優遇の幅があまりなく、固定金利よりも高かったため、別のもう1行に決めました。正社員になり1年半ですが、それ以前は仕事をしていなかったことで、担当者の方に「優遇は難しい」と言われましたが、実際その通りでした。

28歳、正社員、年収394万円田中さん(仮)の住宅ローン審査

年齢:28歳
雇用形態:正社員
年収:394万円
勤務期間:1年8カ月
ローン審査借入額:2590万円
購入物件:新築マンション

新築にこだわりがあったので、再開発エリアで駅からの距離、スーパーや公共施設などの利便性はある程度妥協して自分の資金で買えるものを選びました。

実際に銀行へ審査依頼をした時は、「通らないのでは?」といった漠然とした不安もありましたが、3行に依頼をしたうち、最初の審査で無事、通ることができました。

まとめ

今回は、数多くある住宅ローンの中でもフラット35の特徴やメリット・デメリットにスポットを当ててご紹介しました。

フラット35が女性におススメできる理由としては、年収や勤続年数などローン審査の基準が緩やかです。勤続年数が2年未満、年収が400万円以下でも住宅ローンを組んでマンションを購入することができます。

「マンションを購入するために勤続年数が必要だから」と、自分がやりたい仕事をがまんする必要はありません。転職して間がなくても、マンションを買うことは可能です。

住宅ローン審査を依頼する場合は金利のみの比較などだけではなく、女性が自分らしく働き、自由に住まいを選ぶことができる選択をしてください。

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