女性の中古マンション購入で気を付けたい不動産の選び方。頭金はいくら?

女性の中古マンション購入で気を付けたい不動産の選び方。頭金はいくら?

独身女性の中古マンション購入では、新築マンション購入と違って気を付けないと後悔することが多々あります。頭金の準備や諸費用などについても解説します。

中古マンションを購入した女性の理由

予算の関係

独身女性が家を購入する理由は、「老後、家賃を払うのが大変」「高齢になると借りにくくなる」「自分の家が欲しい」「いざとなれば運用もできるので、財産として所有しておきたい」など人によってさまざまです。将来のことを考えて家を購入しても、その後に結婚する女性も少なくないでしょう。

家を購入しない理由としては「自分が死んだあと、家があると家族や親せきが困る」「色々な街に住みたい」といった声があり、結婚しない独身女性が必ずしも家の購入を決断するとは限りません。

家を購入する場合、選択肢としては、戸建てとマンションの二択です。独身女性で見ると、セキュリティや利便性の面から、そのほとんどはマンションを選択する傾向があります。また新築か中古かという選択においては、立地にもよりますが、予算の関係上、中古マンションを選択せざるを得ないといったことが考えられます。

求めている物件が中古でしか出ない

資産運用を主な目的としてマンションを購入する人もいますが、基本的には住居としての購入になると思います。資産運用のための購入であれば、自分の好みよりも、家賃の高さと収益性を優先します。 しかし住居として購入する場合は、自分がこの先何十年も暮らしていくことをふまえて選ぶので、立地や間取りなどに理想や憧れを求めます。

しかし、ここで問題がひとつあります。それは新築マンションで自分の理想や憧れを叶えようとすれば、予算をオーバーしてしまうというケースもあります。 理想や憧れは人によって変わってくるため、一概には言えませんが立地や間取りなど自分のこだわりを実現しようとすると、予算がオーバーすることもあります。予算を抑えつつ、少しでも自分の理想や憧れに近い物件を探していくうちに、結果として中古マンションを選択することは十分に考えられます。

独身女性がマンションを購入する場合、月々無理のない返済を考えて、中古マンションを選択するケースもあるでしょう。

新築・中古関係なく抑えたい諸条件

首都圏の1LDK~2LDK

独身女性がマンションを購入するとき、予算とエリアの関係上、中古マンションを選択せざるを得ない場合もありますが、ここで新築・中古に関係なく、マンションを購入するうえで抑えておきたい条件についてご説明します。キーワードは首都圏の1LDK~2LDKです。

新築・中古関係なく抑えたい諸条件

独身女性がマンションを購入するうえで、抑えておきたい最大のポイントは立地です。勤務先などによって変わってくる場合もありますが、基本的には都心で駅近物件をおすすめします。

なぜ独身女性が、戸建てではなくマンションを選ぶのか?

その理由として、「セキュリティと利便性が良いから」と先述しました。「都心のマンションがおすすめ」というのも、将来売ったり貸したりできるからです。

例えばセキュリティ面に関してですが、エントランスがオートロックであったり、窓やドアなど開口部が戸建てより少なく、戸締りが楽であったり。郊外の住宅地に比べて、夜遅くなった場合も帰り道に人通りが多いといったことが安全性につながります。

利便性の面では、通勤のほか休日に友達と食事やショッピングなどに出かける際に交通のアクセスが良いこと、駅周辺に買い物に便利な商業施設がそろっていることが挙げられます。

もうひとつのポイントである1LDK~2LDKは、家族で住むことを想定しているファミリー向けマンションの場合、独身女性には今は必要ないキッズコーナーなどの維持費も住人みんなで負担し、月々の管理費に加算されます。

シングル・ディンクス向けマンションであれば、もともと不必要な共用施設はないので、その分の管理費を支払う必要がありません。こういった理由からシングル・ディンクス向けの1LDK~2LDKタイプをおすすめします。 1LDK~2LDKタイプであれば、結婚しても夫婦ふたりで暮らすことが可能です。広い家に住み替えた場合も、都心のマンションであれば賃貸に出すことができます。

毎月のローン支払いが現在の家賃を上回らない物件

マンションの立地や広さの次は、予算に関することです。独身女性がマンションを購入するうえで、抑えておきたい予算の条件。それは毎月のローン支払いが現在の家賃と比較して上がらない物件を選択することです。

一般的には、年間ローン返済額は年収の30%が目安となります。そして現在、賃貸で一人暮らしをしている場合は年間の家賃支払い額。実家にいる場合は、実家に入れているお金と貯金の年間合計額以下にすることを条件にマンションを決めれば、無理なく返せるローン額になるでしょう。

マンションとはいえ、自分の家を購入するのだから、少し無理してでも理想を叶えようと思うかもしれません。しかし最初の1~2年はがんばって返済できたとしても、いずれ無理が出てきます。

ローンの支払いが大きな負担にならないように、月々のローン返済額は現在、支払っている家賃並みに抑えることが、無理のない資金計画になります。

中古マンション購入の頭金とローンについて

中古マンション購入の頭金とローンについて

頭金は100万円からの準備を

住宅情報誌や不動産会社で「頭金0円でもマンションが買える」という言葉を見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

この言葉は嘘ではありません。頭金が0円であってもマンションを購入することはできます。ただし、頭金0円でローン設計を行うには、いくつかのデメリットがあります。例えば「月々の支払額が高くなる」「総支払額が多くなる」など、マンション購入後に苦労することになります。

頭金をできるだけ多く用意することで、月々の支払、総支払額を抑えることができます。頭金を総支払額の10%以上用意することで、金融機関によっては金利が優遇される場合もあります。また物件の選択肢が広がるといったメリットもあります。

頭金の10%はどれくらいの金額でしょうか。 例えば3500万円の中古マンションの場合は350万円ぐらいということになります。それに諸費用として250~350万円が別に必要です。

現時点では、住宅ローンの超低金利水準、住宅ローン減税・すまい給付金などの優遇措置があり、10%の頭金を用意しなくても月々の支払を抑えることは可能です(2018年5月)。そこで目安として、新築の場合は諸費用部分の150万円程度、中古の場合は350万円程度用意することをおすすめします。

住宅ローンは新築に比べて借入期間に注意

中古マンションのほうが価格が安いので、月々のローン支払額を安く設定することができます。そのため、余裕を持って返済ができると思う人もいるでしょう。

その考えが間違っているわけではありませんが、必ずしもそうでない場合があります。

注意してほしいのは借入期間です。

新築であればマンションの場合、最長で35年、もしくは完済年齢から現在の自分の年齢を引いた年数のどちらか短い方が借入期間です。 仮に完済年齢が80歳、現在の自分の年齢が40歳の場合、「80-40=40」なので、40年よりも短い35年が借入期間となります。

中古の場合は、上述した2つの条件以外に「50-築年数」という条件が加わります。仮に築年数が25年の場合、「50-25=25」なので、借入期間は25年になります。

上記の例で考えると、新築は35年、中古であれば25年なので、10年も借入期間が短くなります。10年も借入期間が短くなると、新築よりも物件価格が安いといっても、「月々の支払額は新築とさほど変わらない」、場合によっては「高くなってしまう」といったことも十分にあり得ます。

そのため、中古マンションを購入する際は「築年数がどれぐらいか」をしっかりと確認する必要があります。

諸費用が7%~10%かかる

中古マンションを購入するうえで気を付けるべき点は、もうひとつあります。それは、新築マンションよりも諸経費が高く、場合によっては倍近くかかってしまうこともあるという点です。

具体的には新築で物件価格の3~5%、中古で7~10%と言われています。なぜ新築よりも中古のほうが諸経費が高いのか、その理由についてご説明します。

マンションを購入するうえでかかる諸経費とは、契約時、引越し時、そして入居後に支払う費用で主に次のようなものです。

 契約時にかかる諸費用
印紙税(売買契約書)

 決済時にかかる諸費用
印紙税(ローン契約書)、仲介手数料(中古の場合)、ローン事務手数料、団体信用生命保険料、火災保険料、登記手数料、土地・建物の固定資産税、都市計画税(引渡し日以降分)など

 入居後にかかる諸費用
不動産取得税、水道負担金など

基本的に、上記の費用は新築、中古のどちらを購入しても負担しますが、中には新築だけ、中古だけというものもあります。

新築と中古で、中古だけ費用がかかる最大のものは仲介手数料です。

仲介手数料とは、売主と買主の間に立つ不動産会社に支払われるものですが、計算式は「(物件価格×3%+6万円)×1.08(消費税)」となります。

仮に物件価格が4000万円であった場合、仲介手数料は136万800円です。新築よりも中古のほうが諸費用が高くなります(売主が不動産会社の場合は、仲介手数料がかからない場合もあります)。

リフォーム代を念頭に

リフォーム代を念頭に

リフォーム代を予算組にしておくこと

中古マンションは購入代金のほか、諸費用も事前に把握しておくことが重要です。

しかし、ほかにも考えておくべきことがあります。それはリフォーム費用です。新築よりも安い金額でマンションを購入し、予算の範囲内で自分好みのリフォームをする。これは中古マンションならではのメリットですが、その分の予算を購入代金に加えたうえで予算組をする必要があります。

中古マンションのリフォームは、築年数やもともとの物件の状態、部屋の広さによって大きく変わります。

例えば築10年程度で、水回りはほぼそのまま使える状態であれば、リフォームはクロスの張り替えだけで済むかもしれません。 しかし、築20年を越えた物件で水回りや床に劣化があれば、クロスの張り替え以外にキッチン、バスルーム、トイレなど水回りの入れ替え、床の張り替えも必要になります。クロスの張り替えだけであれば40~60万円ぐらいですが、水回りの入れ替え、床の張り替えも加われば300~400万円もかかる場合があります。

築10年のマンションであっても、和室を洋室にしたり、洋室の床をじゅうたんからフローリングにしたり、リフォームを加える場合は用いる素材などによって200~300万円ほどかかる場合があります。

「自分がどういった部屋に住みたいのか」「妥協できないのはどの部分か」といったことを事前に明確にしてから予算組をするようにしましょう。

リフォーム代の金利は住宅ローン金利とは違う

リフォームによって、自分好みの部屋を作れることは中古マンションのメリットです。

しかし、中古マンションとはいえ、購入直後にリフォームによって数百万円もかかるとなっては、自分の理想の部屋を作ることは難しくなります。

そこで、ほとんどの金融機関では住宅ローン以外にリフォームローンというものを用意しています。リフォームローンを利用すれば、マンション購入直後にリフォーム費用として現金を用意する必要はありません。

リフォームローンは、住宅ローンと違って無担保で借入ができるほか、金額が少ない分、結果が出るまでの期間が短いといったメリットがあります。

デメリットは金利が高く、返済期間も短いということです。住宅ローンの返済期間は最長で35年ですが、リフォームローンは金融機関によって違いがあるものの、基本的には5~10年です。返済期間が短くなると、金利も高くなります。

最近では、中古マンションの売買が増えていることもあり、住宅ローンにリフォーム代金を含めた新たなローンが登場しています。

「マンション購入時にリフォーム工事の見積額を提示する」など一定の条件はありますが、あらかじめリフォームを含めた予算計画を立てていれば、一括でローン組ができます。

耐震構造と建築時期に注意

建築時期1981年以降の施工物件を選ぶこと

日本は地震の多い国です。どの地域の物件を購入したとしても、地震に対する備えはしておく必要があります。

そこで気になるのが中古マンションの耐震性能です。新耐震基準に変わる前に建てられた中古マンションは、基本的に地震に弱い傾向があります。安く購入できたとしても、耐震性能の低いマンションでは、大きな地震が発生したとき不安です。

耐震性能をふまえて中古マンションを購入する際のポイントは、建築時期です。基本的には、1981年以降の施工物件を選ぶことをおすすめします。

なぜなら、1981年に建築基準法が改正され、「震度5強程度の中規模地震では軽微な損傷、震度6強から7程度の大規模地震でも倒壊は免れる強さとする」といったことを定めた「新耐震基準」が設けられたからです。

耐震性能でもうひとつ気をつける点は、マンションの管理状態です。新耐震基準に則って1981年以降に建築されたマンションであっても、定期的に点検したり、保全改修を行っていなければ「1981年以前に建てられたマンションよりも危険」といった場合もあります。

中古マンションを選ぶ際は、必ず仲介の不動産会社を通じ、マンションの管理組合の修繕履歴、計画をチェックするようにしてください。

中古マンション購入の最大のメリットは価格

新築と比較してコストが低い

中古マンションを購入する最大のメリットは、新築に比べ価格を抑えることができる点です。

今回、「中古マンションは諸費用が新築よりもかかる」「リフォーム費用が別途必要になる」など、費用がかかるということをお伝えしました。

しかし、価格は新築よりも中古の方が安いので、余裕のある資金計画を立てられるため、生活に余裕もでてきます。

中古は新築に比べ物件数が多く、選択肢が多いというメリットもあります。また、実際に物件を見学して決めることができるのも中古のメリットです。

マンションの住人の雰囲気や管理状況のチェックができるため、新築よりも安心感があります。こうしたことも中古マンションのメリットです。

まとめ

マンションを購入する女性が増えるのに伴い、(シングル・ディンクス向け)コンパクトマンションも増えています。

シングル・ディンクス向けの新築物件が増えているということは、中古物件も増えることになります。そういった意味では、今後、独身女性が中古マンションを買う際の選択肢は広がっていくと考えられます。

中古マンションは新築に比べ価格を抑えることができるメリットがあります。これは、住宅だけでなく、ファッションや美容、趣味、習い事などに生活を楽しみたい女性にとっては大切なことです。

またマンションの管理状態、そして同じマンションに住んでいる人の雰囲気を事前にチェックできることは、セキュリティの観点からも安心感が高いでしょう。

注意点としては、新築に比べ諸費用がかかることです。またリフォームにかかる費用も、事前に明確にして予算計画に組み込む必要があります。

「新築よりも安いから」と物件価格だけで中古マンションを選択すると、リフォーム代で苦労することがあります。

物件選びで後悔しないためには、自分の要望をきちんとヒアリングしてくれたうえで、メリットだけではなくデメリットもきちんと話してくれる不動産会社を探すことです。

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