Chapter2 マンション売却編-その1 小島ひろ美につづけ!

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マンションを売り払おう!と固く決意した時を前後して、私は小島先生の元へ相談に行っていた。できるものなら買い替えたいと思ってはいたものの、どう考えてもできそうにもない。なによりお金がない。が、とりあえず研究会に出向いてみた。
相談の結果、買い替えることも夢ではないという、すばらしい結論となった。


図新たに頭金を工面しなければならないものの、金利は下がっているし、月々の返済額はさほど変えずにすむ、ということがわかった。繰上返済により、せっかく10年以上も短縮した返済期間は、また35年に逆戻りするものの、「借り替えをすると思えばいい」という小島先生の力強いお言葉に、な〜るほど、そういう考え方があったか、と深くうなづく私だった。
ただ、、、何よりも大きな問題は、手持ちのマンションが売れるかどうか、であった。何せこのご時世である。いくらバブルが崩壊してから買ったとはいえ、相場は更に値下がりしている。それに、新築がこれだけ安くなってくれば、中古に目を向ける人など、少ないのはわかりきっている。自分だったら、ぜったいに買わないであろう。
私が最初のマンションを買った頃は、第1取得者層は、まず中古、という風潮があった。かくいう私も、中古物件を見て歩いていた一人である。だが、ろくな物件がなかった。おまけに高かった。そうこうしているうちに、私でも手が届きそうな新築マンションがちらほら登場し、今まさに売り払おうとしているこのマンションを、30歳の1ヶ月前に、手に入れたのだった。
だいたい、売れなければ借金の返済ができない。返済できなければ、次が借りられない。それも、ただ売れればいいというものでもない。いくらで売れるのか、ここが最大のポイントとなる。借金がなくなればそれでいいというものでもない。いくばくかの頭金も捻出できなければ、次はないのである。これまで何とかがんばって繰上返済をしていたものの、まだまだ2400万円という、多額の借金が残っていた。
それにしても、買い替えというのは難しい。いくら買い替えようと決意したとて、売却前では資金計画が全く立たない。○○万円で売れたとして…と勝手に計画を立てたとしても、それはとらぬ狸の皮算用にすぎないのである。
が、しかし…ここでくじけるような「わたくし」ではない。小島先生に相談するまでは、思いもしなかったことだが、「人に貸す」とい選択肢もあることがわかった。この若さで、マンションを2こも持っているなんて、なんてかっこいいのだろう!小島ひろ美のあとに続くのは、この私しかいない!
…とまでは思わなかったが、こんな手もあったのか。徐々に、目の前がぱぁっと明るくなってきた。 そうすれば、面倒な仮住まいもしなくてすむ。売ってから買うにしても、買ってから売るにしても、新築狙いでいく以上仮住まいは必至である。契約から完成まで1年近くかかる新築の場合、期間の多少の差こそあれ、仮住まいからは逃れられない。


図ところで、買い替えの場合は、契約の際に、手持ちのマンションが売れなかった場合、契約の白紙撤回という買い替え特約条項がつく。 なーんだ、売れなかったら売れなかったで、なにも困ることはないじゃん、と思うのは甘い。
「○○円で売れなかったら白紙撤回」には間違いないが、この○○円というのがくせものである。自分が売りたい金額ではないのだ。それはそうだろう。そんなことをしてしまったら、不動産会社が丸損するだけである。
○○ 円というのは、新しいマンションの売主(つまり不動産屋)の査定価格で決まる。その査定価格というのが、かなり厳しい。これならほぼ確実に売れる、という金額なのだ。私の場合(実際には契約していないが)、買い替えとして手持ちのマンションを査定してもらったら、実際に売れた金額より500万円も低い価格だった。
最初は自分の希望価格で売り出しても構わないが、3ヵ月以内に査定価格にまで下げて、それでも売れない場合のみ、契約の白紙撤回ができる、それが買い替え特例の仕組みである。
売れたとしても、こんなに安くては、資金計画がめちゃくちゃになってしまう。買ってから売るのか、売ってから買うのかは、必然的に売ってから買うという選択となった。貸す、という選択も大きな柱として残ってはいたが、部屋が空いたときを考えると不安になる。家賃でローンを払わなくてはならないのだから、家賃収入が途切れてしまうと困る。それに、借りられるお金には限りがある。いくら片方の借金は家賃で払います、と私が銀行に力説しても、そんなことが認められるはずはなく、貸してくれるのは、総返済額が年収の30%ないし35%以内、ということになるだろう。そうなると、安めのマンションしか買えなくなりそうだ。
とにかく今のマンションを売り払って、それから新しいマンションを買う、これしか道はなかった。

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