女性の一人暮らしはいくらかかるでしょうか?1か月の生活費と内訳について知るとともに家賃見直しや食費見直しなどで生活費を節約するポイントをご紹介します。また、最近女性、男性を問わず注目を集めているマンション投資についてご紹介します。
一般的な独身女性が1ヶ月にかける生活費はいくらぐらいなのでしょう。ここではマンション購入を考えている「一般社団法人女性のための快適住まいづくり研究会」の会員89,500人(2018年8月1日時点)に取ったアンケートの平均値を東京、大阪に分けてご紹介します。
東京
食費(ランチ・カフェ代含む):40,000円
家賃(更新料・保険料1/24ヶ月分含む)73,000円
水道光熱費:15,000円
日用品・雑貨:10,000円
通信費(PC・スマホ代):10,000円
保険:10,000円
医療:2,000円
趣味・習いごと:10,000円
被服費(アクセサリー含む)10,000円
美容費(美容院・化粧品代含む):10,000円
交際費(冠婚葬祭・外食含む):20,000円
貯金:20,000円
合計で23万円です。
これに対し大阪は
食費(ランチ・カフェ代含む):30,000円
家賃(更新料・保険料1/24ヶ月分含む)53,000円
水道光熱費:10,000円
日用品・雑貨:10,000円
通信費(PC・スマホ代):10,000円
保険:10,000円
医療:2,000円
趣味・習いごと:5,000円
被服費(アクセサリー含む)10,000円
美容費(美容院・化粧品代含む):10,000円
交際費(冠婚葬祭・外食含む):10,000円
貯金:10,000円
合計17万円と東京よりも6万円も安いという結果が出ています。
東京、大阪を比較した際、もっとも異なるのは家賃です。次いで食費、交際費、貯金、水道光熱費、趣味・習いごととなっています。
前項でご紹介した東京、大阪の毎月の支出について、ここではさらに深く掘り下げて見ていきます。まず一番、東京と大阪の違いが大きいのが家賃です。
これは東京と大阪の家賃相場の違いが影響しています。
例えば東京で1K/1DKの家賃相場は8~9万円で、さらに2年に1回更新料(家賃1カ月分)がかかります。
これに対し大阪は5~6万円で、これがそのまま支出の違いに現れています。
次に食費ですが、東京が4万円に対し大阪が3万円です。この違いはそれぞれの地域の物価の違いによるものが大きいといえます。
総務省統計局が発表している「小売物価統計調査(構造編)年報 平成28年」を見ると、食料(穀類、肉類、野菜、果物、調理食品、酒類、外食など)の消費者物価地域差指数は、東京が全国で2位の103.1に対し、大阪は全国で28位の99.4という結果が出ています。これも家賃同様、そのまま支出の差に表れているといってよいでしょう。
このように毎月の支出は、それぞれの地域の相場、物価によって変わってくることがおわかりいただけたと思います。
そして収入も同様に地域差が大きく関与しています。
厚生労働省が発表している「労働統計要覧」の都道府県別現金給与総額と格差(事業所規模5人以上)の資料を見ると、東京の年収は408.6万円、大阪の年収が334.3万円と約74万円の差があります。もちろんこれは全体の平均で年齢や業種によっても変わってはきますが、総じて支出だけではなく、収入も地域差によって変わってくることがわかります。
毎月の支出の中で家賃の次に支出額が大きい食費。もちろん生活をしてくうえで食費が重要であることは間違いありません。
しかし毎月の支出額が大きいことから、食費を抑えることができれば、全体の支出額も抑えることが可能になります。ただ食事は健康を司るものですから、闇雲に抑えればよいわけではありません。そこで目安となるのがエンゲル係数です。
エンゲル係数とは、家計の消費支出に占める食費の割合を示したもので、以下の式で求めることができます。
エンゲル係数(%)=食費÷消費支出×100
例えば食費が5万円で、消費支出が15万円だった場合は
5万円÷15万円×100=33.3
エンゲル係数は33.3%になります。
これを総務省統計局が発表している「家計調査(家計収支編)」(2018年1月~3月)で見てみます。
34歳までの女性は食費33,337円、消費支出167,433円でエンゲル係数は19.9%。35~59歳は食費33,494円、消費支出178,598円でエンゲル係数は18.8%です。
ただしこれを元に単に食費は19%以内に収めれば節約になるというわけではありません。
なぜならこのエンゲル係数はあくまでも消費支出に対する食費の割合であり、収入に対する食費の割合ではありません。さらにこの食費には外食費も含まれています。そこで手取り収入の何%を食費にすればよいかは、食費から外食費を引き、それを収入で割った数字を目安にします。
前述したデータの34歳までの女性で計算してみると、外食費は14,345円で収入は262,885円です。
(33,337-14,345)÷262,885×100=7.22
これで毎月の収入の約7%を食費の目安にすればよいことがわかります。
では実際にマンションを購入する場合、毎月のローン額はいくらにすればよいのかについてご説明します。
住宅ローンを選ぶ際には、金利だけではなく、借入額と返済額に注意を払う必要があります。毎月いくら返していくかによって、生活のゆとりが大きく変わってくるからです。金利負担を軽減させることばかり考え、無理をしてローンの期間を短くしたり、ボーナス併用型にしたりすると、生活にしわ寄せがきてしまいます。
そこでおすすめなのは、毎月のローン額を現在、賃貸で支払っている家賃程度に抑えることです。これであれば、今の生活の楽しみを続けられるレベルでローンの返済を行っていけます。
そのうえで余裕がある時に繰り上げ返済をするほうが、いざという時に急にお金が必要になっても困ることもありません。
仮にボーナス併用型にしてしまうと、今までの楽しみを我慢したり、いざという時にお金を用意できなくなってしまいます。とにかく今の生活の楽しみを維持しながら、返済していくことが、住宅ローン返済のポイントです。
家賃の次に支出額が多い食費を抑えることが節約のポイントであると先述しました。しかし具体的に食費を抑えるにはどうすればよいのでしょう。ここでは食費を抑える方法についてご説明します。
食費の中でもっとも高額なもの、それは外食費です。前出の「家計調査(家計収支編)」でもご説明したように、34歳までの女性の外食費は14,345円です。
食費全体は33,337円ですから、その割合は43%。実に約半分が外食費ということになります。つまり外食を控え、自炊を増やすようにすることが、食費を大幅に抑えるもっとも効果的な方法であるといえます。
ただし単純に外食を控えれば食費を抑えられるわけではありません。なぜなら女性で一人暮らしの場合、しっかりと計画を立てて食品を購入しないと、余ってしまったり、使わずに腐らせてしまったりと無駄が増えてしまうケースが少なくないからです。
食品の無駄を防ぐには、特売やセールで安いからといって無計画に購入することを避け、計画性を持って購入すること。お茶はペットボトルではなく、パックのものを買うこと。冷蔵庫のチェックを定期的に行い、長期間ストックしているものを整理することなどをすることがポイントです。
ほかに節約できるものとして挙げられるのが、通信費、保険料です。これらの毎月の支払いを見直すだけでも大きな節約につながります。
通信費の中で見直すポイントはインターネット接続料金とスマホの利用料金です。インターネット接続は現在、光接続が主流ですが、この光接続の料金を安く抑える方法はスマホとセットで契約することです。
ドコモであればドコモ光、auであればauひかり、Softbankであればソフトバンク光とキャリアごとに光接続サービスを提供していますので、今、使っているキャリアとセットで契約すると、スマホの料金が割引されます。
インターネット接続料金を安くする方法はほかにもあります。それはキャンペーンを利用する方法です。
多くの光回線を提供している業者は、頻繁に新規、乗り換え契約キャンペーンを実施しています。これをうまく活用すると、契約時に数万円のキャッシュバックがあります。
一般的に光回線の契約期間は2~3年ですので、契約終了期間を見計らって乗り換えをすると、その度にキャッシュバックを受けられます。ただし契約期間中に乗り換えをすると違約金が発生しますので、契約期間にはご注意ください。
次にスマホですが、最近は大手キャリア以外にも格安SIMとして大手キャリアの3分の1程度の月額料金でスマホを使えるようになっています。これを活用することで通信費は大幅に節約が可能です。
最後に保険の見直しですが、自分にとって必要な保障とはなにか、補償額、期間などを改めて確認してください。
可能であれば専門家に相談することをおすすめします。また住宅ローンを利用する際、ほとんどの場合、団体信用生命保険に加入することになります。そのため場合によってはこれまで入っている保険と二重になってしまう可能性もありますので、その部分も含めて相談するとよいでしょう。
マンション購入は、自分が住むためのほか、投資対象として購入するかたも少なくありません。そこでここからは、マンション投資で資産を増やす方法についてご説明します。
不動産投資といえば以前は男性が行うものといったイメージがあるかもしれません。しかし女性の社会進出が進んでいる今、不動産投資を行う女性が増えています。その理由としては次のようなことが考えられます。
・結婚しない選択をする女性が増えたことで、老後に備え収入を増やしたい
・不動産投資は仕事をするうえで負担にならない
・株やFXなどほかの投資に比べてリスクが少ない(ミドルリスクミドルリターン&ロングリターン)
・女性の目線が不動産選びに役立つ
さらに不動産投資には、安定した収入の確保、私的な年金代わり、ローンを組む際に団体信用生命保険に加入することによる保険としての機能、所得税・節税効果、インフレ対策、現物不動産の強みといった多くの魅力もあります。
ただし、リスクもあります。代表的なものとしては、空き室、金利上昇、不動産価値下落、資金流動化、建物老朽化、自然災害などが挙げられます。不動産投資としてマンションを購入する場合は、これらのメリットとリスクを十分に理解したうえで行う必要があります。
次に現金を銀行に預けている際に受け取れる金利と分譲マンションの家賃収入では、どちらのほうがお得なのかについて比較してみます。
・銀行預金金利(2,800万円の現金を銀行に預けている場合)
1,000万円以上の大口定期預金の金利は10年で0.01%です(みずほ銀行を利用した場合(平成30年8月現在))。これを元に満期日に得られる利息を計算してみます。
2,800万円×0.01%=2,800円/年
2,800万円÷12ヶ月=233円/月
・分譲マンション購入(2,800万円のマンションを購入して賃貸に出した場合)
分譲マンションを貸した時の平均利回りは4~5%です。ここでは4.5%として、家賃収入を計算します。
2,800万円×4.5%=1,260,000円/年
1,260,000円÷12ヶ月=105,000円/月
このように、2,800万円を銀行に預けた時に貰える利息は月233円。
これに対し分譲マンションを購入し、貸した場合に貰える家賃は月10,5000円と、銀行金利よりもはるかに高く、安定した収入を得ることが可能です。※賃料収入からローンの返済や経費を除いた分が利益となります。
はじめてのマンション投資で物件を選ぶポイントは3つあります。
それは「都心」、「駅近」、「新築のコンパクトマンション」です。その具体的な理由として次のことが挙げられます。
・都心や駅から近い場所など立地の良い良質な30~40㎡のコンパクトマンション(1~2人向け)は需要に対して供給が不足していること
・古いアパートや狭いワンルームマンション(20㎡以下)は需要が少なく、家賃を安くしない限り、賃貸がなかなかつかないこと
・ファミリータイプの3LDK以上の物件は、4人以上の家族世帯数が減っているので需要が減少しています。そもそもファミリータイプの物件は、購入を検討するケースが多く、賃貸の需要は少ないこと。
これらの理由により、都心で駅から近い新築のコンパクトマンションは、1~2人世帯が増えており需要が高いため、マンション投資をする物件としては、非常におすすめであるといえます。
今回は、女性の一人暮らしにかかる生活費について解説しました。収入を急激に増やすことは難しいので、普段の収入と支出のバランスを取りながら、「我慢」にはならないような工夫をすることで上手に節約することが可能です。
また、今回は貯金や株式、投資信託といったものとは異なる「マンション投資」という方法を紹介しました。
2020年に開催される東京オリンピックを控え、価格上昇が続いていた都心のマンション市場。しかしここにきて上昇の鈍化や頭打ちになってきています。
しかし、関西エリアは価格がまだ上がっていないので狙い目です。2025年の万博やカジノが決定すると急上昇すると思われます。
しかし2020年以降も、例えば東京駅周辺整備、山手線新駅周辺開発、虎ノ門周辺再開発、渋谷駅周辺再開発、上野「文化の杜」新構想など都心の至るところで整備、再開発が予定されていることからも、場所さえ間違えなければ、これからさらに資産性が高まっていくと予測できます。
そういった意味では、今は都心でマンションを購入する絶好のタイミングであるともいえます。自分で住むにしても、投資対象にするにしても、今の生活を維持しながら余裕を持って支払いができるマンション購入を検討されてみてはいかがでしょう。