独身女性はマンションと一戸建て、購入するならどっちがいい?特徴・注意点を解説

独身女性はマンションと一戸建て、購入するならどっちがいい?特徴・注意点を解説

分譲マンションか一戸建て住宅、どっちを買うのか悩んでいる人はたくさんいるかもしれません。

価格や税金、設備や仕様、防災や防犯に対する強さなど、それぞれの違い、特徴をまとめて解説します。

すべての面においてどちらかが一方的に優れている、というわけではありませんので、ライフスタイルに合った選択をすることが大切です。

マンションと一戸建てどっちを購入するべきか

マンションを購入するか、一戸建てを購入するか。これから家を購入しようといった場合、この二択で悩まれるかたは少なくないでしょう。

価格や税金、立地、好み、機能などさまざまな面でどちらにもメリットとデメリットがあり、なかなか簡単に判断することはできません。

そこでまずはマンションと一戸建て、それぞれのメリットとデメリットをわかりやすくご紹介します。

マンションのメリットですが、鉄筋コンクリートでつくられているため、一戸建てに比べると耐震性はもちろん、自然災害にも強い構造になっています。

また維持・修理に関しても、マンションの場合、通常は管理会社に委託していて、修繕積立金を積み立てているので、手間も大きな修理や交換の度に、その都度大きな出費がなくてすみます。

さらにゴミの管理なども行き届いているため、24時間いつでも好きな時にゴミを捨てられるといった日常生活でのメリットもあります。24時間ゴミ出しができるということは、仕事を持つ女性にとっては大切なことです。

マンションのデメリットは、管理面における制約がある点です。

ペットで飼える動物が限定されていたり、楽器が弾ける時間が決まっていたりといったことは、一戸建てに比べるとデメリットとなるでしょう。

一戸建てにルールはありませんが、近所迷惑にならず常識的な範囲で暮らしていかないとご近所トラブルの原因にもなります。また小さなお子さんがいる場合は、床の遮音性の高いマンションを選ぶ必要があります。それでも心配な場合は一階の部屋を購入することで階下に住む人に迷惑にならないように子供の足音などの生活音に配慮する必要もあります。

次に一戸建てのメリットは、外観や内装、間取りの自由度が高い点です。

注文住宅であればという条件はつきますが、賃貸では実現できなかった、吹き抜け、アイランドキッチン、屋上庭園、といった憧れを叶えられるのは、一戸建てならではです。

また小さなお子さんがいる場合でも、階下を気にする必要がないのも戸建てのメリットです。

一戸建てのデメリットは、木造建築が中心であることもあり、耐震性や台風、大雨といった自然災害に弱い点が挙げられます。

またマンションのように警備員や管理人がいないため、防犯性も弱くなります。ほか外壁補修、屋根のメンテナンスなど建物の維持管理はすべて自己責任で行う必要があり、手間がかかることや、その都度大きな出費がかかる点がデメリットといえるでしょう。

費用面の違い

ではここからは項目別にマンションと一戸建て、それぞれを比較していきます。まずは費用面の違いについてです。

共通して必要な費用

マンションと一戸建て、どちらを購入するにしても、住居自体の購入費以外にさまざまな諸費用がかかります。ここでは共通してかかる主な諸費用についてご紹介します。なお、諸費用には購入時に必要なもの、購入後に必要なものの大きく2つにわけられます。

購入時に必要な諸費用

・売買契約書に貼り付けるための収入印紙代

・登記費用

・融資を受ける際に支払う保証料、融資手数料、担保設定費用

・火災保険料

購入後に必要な諸費用

・固定資産税(毎年)

・都市計画税(毎年)

・不動産取得税(一回)

これらの諸費用は、マンションを購入した場合、一戸建てを購入した場合、どちらでも必要になる諸費用です。

マンションの場合は、マンション全体にかかる固定資産税と都市計画税は、全体の持ち分比率で所有者全員の負担となりますが、一戸建ての場合は全額負担ということになります。

一戸建てにかかる費用

では一戸建てを購入した場合にのみかかる費用にはどういったものがあるのでしょう。

中古物件の場合、仲介手数料が挙げられます。

これは、仲介してくれた不動産会社に対して物件価格の3%+6万円×消費税(例えば3000万円の一戸建ての場合、103万円)の費用を支払う必要があります。ただし、新築でも物件によっては契約した不動産会社が直接的な売主でない場合は支払う必要があります。

仲介手数料は、中古物件であればマンションでも支払う必要があります。しかし新築マンションの場合、販売会社は売主の代理として販売を行うため、仲介手数料はかかりません。

ほかに、一戸建てでも注文住宅の場合はさらに設計料が建物代金の3%~5%かかります (例えば建物代金が1500万円の場合45万円~75万円)。

何もない土地の状態から家を建てる場合、土地を購入した段階で土地のローンの返済、もちろん金利も発生するため、まだ家が建っていない状態であっても、土地のローンだけは支払う必要があります。

分譲マンションにかかる費用

分譲マンションを購入した場合にのみかかる費用としては、管理費、修繕積立金があります。

前述したようにマンションは管理会社がすべての管理を受け持つため、外壁工事、屋上やベランダの防水工事、エレベーターの取り換え、植栽の管理・入れ替え、管理人の人件費なども、数年に一回、大規模修繕工事として一括して行います。修繕積立金とは、その時に使うために毎月すべての所有者から集める積立金です。

これ以外に分譲マンションにのみかかる費用としては、車や自転車の駐車・駐輪場代があります。

マンションによっては無料で利用できる場合もありますが、基本的には毎月、駐車・駐輪代を支払って利用することになります。その理由は、駐車・駐輪場を使用している人とそうでない人に、不平等が発生しないように使用している人のみが管理費を管理組合にプラスして支払います。

メンテナンスコストにも違いがある

一戸建てはマンションのように修繕積立金が必要でないため、メンテナンスコストも少なくてすむといった考え方もありますが、実際は外壁や屋根の葺き替えなどの修理はその時に一括で支払う必要があります。

マンションの場合、基本的には修繕積立金の中から、必要に応じて管理会社が修繕を行ってくれます。

つまり一戸建ての場合、すべて自分で管理し、修繕をしていかなくてはなりません。修繕積立金といって毎月支払う必要はないものの、いざという時に備え、修繕費用は蓄えておかなくてはならないということで見れば、一戸建てもマンションも大きな違いはないといえるでしょう。

ただしマンションで注意しなければならないのは、修繕積立金はあくまでも屋上、外壁、廊下など共有部分のみのものであり、自分の部屋の中のリフォームに関しては一戸建てと同様に自分で別途、用意しておかなければならない点です。

修繕積立金さえ支払っていれば、それ以外にメンテナンスコストはかからないわけではないので、その部分に関しては注意してください。しかしマンションの場合は、内装に関するリフォームは100万円~500万円と、一戸建てに比べて断然お安くなっています。

立地・環境

家を購入するうえでどこに住むかということは非常に重要な問題です。

職場からどれだけ離れているのか、駅から家まで歩いて行けるのか、バスや自転車が必要なのかなど、毎日の生活に直接かかわってきます。

また治安が良いかどうか、近くに病院や学校など公共施設があるのかといった周辺の環境も同様です。

交通アクセス・駅からの距離

2018年6月11日、株式会社不動産経済研究所が2017年下半期に完成した首都圏のマンションについて調査したところ、駅から徒歩5分以内の物件は全体の44.9%。徒歩10分以内の物件は44.9%となっています。つまり全体の89.8%が駅から徒歩10分圏内の場所に建てられているということです。

これに対し一戸建ては、特に首都圏に関しては駅から10分以上離れていることが多く、駅に通うのも自転車やバスを使わなければならないケースが少なくありません。そういった意味で、交通アクセス、駅からの距離はマンションのほうが便利な場合が多いといえるでしょう。

周辺環境の評価

多くの場合、街の開発は駅を中心に行います。

病院、銀行、役所、郵便局といった公共施設。スーパー、コンビニ、百貨店など毎日の生活に必要不可欠なものは基本的に駅の周辺に固まっています。そのため駅から徒歩圏内に多いマンションは、一戸建てに比べ生活しやすい環境であるといえるでしょう。

ただし駅周辺は、幹線道路が走っている。居酒屋、レストランなどの飲食店のほか、ゲームセンターやカラオケボックスなど夜遅くなっても人が溜まっていることも多く、騒音や治安といった面で不安があることも確かです。

この点に関しては、駅から離れた閑静な住宅地のほうが、安心して暮らせるというメリットがあります。しかしシングル女性の場合は閑静な住宅街は夜遅く帰宅するのには危険とも言えますので、やはり駅近の治安の良い場所のマンションがオススメです。

専有面積・間取り

そこに住む人数にもよりますが、快適な暮らしを実現させるうえで、ある程度の広さは必要です。またどういった間取りにするかによって快適性は大きく変わってきます。

ここでは専有面積と間取りについてマンションと一戸建てを比較していきます。

生活動線が良いワンフロアのマンション

2階建て以上であることがほとんどの一戸建てに対し、マンションはほとんどワンフロアの間取りです。

一戸建て、特に注文住宅であれば間取りの自由度は高く、マンションに比べ理想を叶えられるというメリットがあります。しかし年老いたシニア夫婦や足を怪我した時などには階段は危険で辛いものがあります。トイレやお風呂に冬場階段を使っていくのにもとても不便です。

また、生活動線といった面で見るとどうでしょう。洗濯機がある場所からベランダへ、玄関からキッチンへといった動線は、当然ながら階段のないワンフロアのマンションのほうが移動が楽で快適性は高くなります。

大人数の家族であれば、一戸建て。夫婦二人やシングルの一人暮らし、シニア夫婦であればマンションのほうが住みやすいといえるでしょう。

専用庭・駐車場がすべてについている一戸建て(大型犬も飼える)

自分たちの専用の庭、専用の駐車場を持つことができるのは、一戸建てならではの大きなメリットです。

中庭や駐車場があるマンションももちろん、少なくありませんが、それはすべてそのマンションの住人が共有で使うものであり、費用もかかり、車を止めてすぐに入れるわけではありません。

ただし自分専用の庭、駐車場ということは、当然ながら自分で管理する必要があります。

また自宅の庭で家庭菜園を楽しみたいといった場合も、ベランダを使えば小さいながらもマンションで実現することも不可能ではありません。

駅から遠くても、大家族で子供と庭で遊びたい人などは自分で管理することで広い場所を自由に使える、一戸建て。庭や駐車場にこだわりはなく、管理は人に任せたいというのであればマンションがオススメです。

設備・仕様

より便利で快適な暮らしを実現するには、どういった設備があり、どういった仕様でつくられているかをしっかりと確認しなくてはなりません。ここでは設備や仕様についてマンションと一戸建てを比較していきます。

マンションは一戸建てにはない共用施設・サービスがある

例えば不在時に宅配便を受け取りたい場合、あるいは小さなお子さんがいて雨の日など外で遊ばせることができない場合や夜に安全な場所でお子さんを遊ばせたいといった場合など、一戸建てでそれを実現することは簡単ではありません。

しかしマンションでは、宅配ボックス、また大型タワーマンションなどではキッズルームや友人や両親などを泊めることのできるゲストルームなどさまざまな共有施設、サービスがあります。

もちろんすべてのマンションにそうした施設やサービスがあるわけではありませんが、一戸建てでこれらのことを実現する難しさを考えれば、はるかに利用範囲が広がるでしょう。

断熱性・気密性はマンションが有利

次に仕様についての比較です。どれだけコストをかけるかによって変わってきますが、一般的には一戸建てよりもマンションのほうがより丈夫で断熱性、気密性も高いといえます。

一戸建ての場合、木造が多いこと、それに比べマンションは鉄骨造、鉄筋コンクリート造が基本であることがその理由です。

また鉄骨造、鉄筋コンクリート造はそれ以外にも、耐震性が高く、雨や台風といった自然災害にも強く、総じて一戸建てよりもマンションのほうが安心して暮らせるといえます。

増改築や好きなペットを飼いやすい一戸建て

共有施設やサービス、断熱性・気密性といった面では一戸建てよりもマンションに分があります。

しかし住んでいくなかで必要に応じて増改築ができるといった点は、マンションにはない一戸建ての強みといえます。分譲マンションもリフォームによって改築することは可能ですが、専有面積を広げることはできません。

またマンションは一戸建てにはない制限もあります。特にペットに関しては大きさや頭数など制限のあるマンションが多く、好きなペットを自分の責任において自由に飼うことができるのは、一戸建てならではのメリットといえるでしょう。

防犯・防災

防犯・防災対策はどんなに厳重にしたところで、これで大丈夫といったことはありません。

しかしそのなかで少しでも安心して暮らすためには、マンションと一戸建てのどちらがよりしっかりとした対策が取られているのでしょう。

防犯・防災はマンションが有利

基本的に防犯、防災対策においては、マンションのほうが有利であるといえます。

例えばマンションであれば自宅の玄関以外に、マンション自体のエントランスにオートロックがあり、管理人がいるため部外者が簡単に侵入することはできません。マンションによっては夜間になると警備員の見回りで24時間体制で有人管理するケースもあります。

また共有施設のところでも説明したように、中庭やキッズルームのあるマンションであれば、安心してお子さんを遊ばせることもできます。もちろんすべてのマンションというわけではありませんが、最近の大型タワーマンションであれば、ほぼこれらの共用部分が企画されています。

防災対策においても、鉄骨造、鉄筋コンクリート造であることから耐震性が高いことは前述しましたが、それに加え、20年前から備蓄倉庫や自家発電装置の導入をしているマンションが多いことから、これに関しても一戸建てよりも安心感があるといってよいでしょう。

一戸建てで防犯性・防災性を高めるには費用が高くなる

一戸建てでは防犯、防災性において安心できないといったことはもちろんありません。しかしマンション同様に対策を立てようとすれば、マンション以上に多くの費用がかかることになります。

二重サッシ、防犯カメラ、ワンドアツーロック、防犯フィルム、センサーライトなどすべて自分で購入、またはリースし、毎月の管理費を支払わなくてはなりません。そしてそれは防災対策においても同様です。購入時では100万円~200万円必要で、毎月1万円~2万円必要です。

マンションと一戸建ての資産価値

最後に資産価値の面からマンションと一戸建てを比較します。購入したものの、何らかの事情で手放すことになった場合、マンションと一戸建てのどちらのほうが有利なのでしょう。

資産価値が目減りしにくい・上がりやすいのは

一般的に資産価値が目減りしにくい、上がりやすいのは一戸建てよりもマンションです。

建物の老朽化といった点では、元々のつくりやその後のメンテナンスによっても変わってきますが、一戸建ての場合、建物の老朽化によって価値が下がります。今の時代、一戸建ての土地の価格が大きく上がったり下がったりすることはありません。

それに対してマンションは立地によっては再開発や新駅・新線の開通などで、建物が中古になっても価格が上がる場合があります。不動産の価値は交通アクセスや利便性が重視されるものなのです。そのためリフォーム、建て替えといったことによって、場合によっては購入時以上の資産価値が出る場合もあります。

資産価値は立地が大きく影響する

マンション、一戸建てどちらにも言えることですが、将来的な資産価値で大きく影響するのは、立地です。

駅から近い、スーパーや公共施設があって利便性が良いといったことが、資産価値を大きく下げないための条件となります。将来的に結婚や両親と同居するため、買い換えを視野に入れているのであれば、立地を最優先にマンション選びをする必要があります。

シングル女性・DINKS・子供の巣立ったシニア夫婦には断然マンションがオススメの理由

ここまでさまざまな面からマンションと一戸建てを比較してきましたが、どちらかが一方的に優れていて、どちらかが劣っているといったことはないことがおわかりいただけたと思います。

ただしひとつ言えることは、シングル女性、DINKS、お子さんの巣立ったシニア夫婦など1~2人で暮らすのであれば、利便性、生活動線などの観点から、マンションのほうがオススメだということです。

ペットや楽器が自由にできないなど制限もありますが、防犯面や宅配ボックス、ゲストルームなどの共用施設を考えれば、マンションという選択肢は断然利点が多いのではないでしょうか。ライフスタイルの変化により、住み替えも売ったり貸したりしやすいのもマンションです。

まとめ

自分のライフスタイルはどちらが合っているかを考えよう

前項でも言及したように、マンションも一戸建てもどちらにもメリット、デメリットがあり、一概にどちらがいいということはできません。

最終的には、自分のライフスタイルにどちらが合っているのかで選択することが一番です。小さなお子さんがいる、二世帯で暮らす、大きな庭や駐車場が2台欲しいといった場合は一戸建てがオススメです。

家族が少ないもしくは一人暮らしのため、駅から近く、利便性を重視する場合はマンションがオススメです。今回のさまざまな比較を参考のうえ、自分にもっとも合ったスタイルを選択しましょう。

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