女性がマンションを購入する際の平均年齢は何歳くらいで買う人が多いのでしょうか?また、何歳までが良いのでしょうか? ライフスタイルの変化を念頭に住み替えも考えて幸せなマンション生活を送るのに必要な、失敗しないマンション選びの条件についてもふれています。
一般社団法人「女性のための快適住まいづくり研究会」が研究会の女性会員に行ったアンケート調査によると、35~44歳がマンション購入のピークとなっています。さらに、全体でみると約半数が、39歳までにマンションを購入していることがわかりました。
一方、20代後半~30代前半はどうかというと、こちらは合わせて約22%となっています。また40代後半~50代前半はこちらも合わせて約21%と、全体の4割を占めている状況です。残りが20代前半と、50代後半以上です。30代後半~50代前半が全体の約9割を占めています。
上記のようなデータから考えられることは、世代間のばらつきは多少あるものの、少なくとも最近は、女性がマンションを購入するにあたって、年齢はあまり関係ない状況になってきています。
以前は独身女性がマンションを購入するということは今よりもずっとハードルが高く難しい時代がありました。しかし現代においては、「まだ若いからマンションを買うのは早い(難しい)かな…」と不安に思う必要はないと言って良いでしょう。
国土交通省が公開している「平成29年度 住宅市場動向調査報告書」によると、分譲マンションの購入者(世帯主)の平均年齢は44.1歳というデータが出ています。これは全年齢、男女混合のデータです。平成25年度では41.6歳でしたので、ほぼ毎年同じ年代です。
また、世帯主の年齢層としては30代が最も多く、分譲マンションの世帯主の38.6%が30代となっています。上記のアンケート結果とおおむね似たような傾向がうかがえますので、マンション購入について、男女で年齢差はあまりない、と言って良いでしょう。
上で解説した年齢層について、どういう理由が考えられるでしょうか。まず、30代後半になると、収入も安定してきて、ローンを返済できるめどを立てやすいという理由があります。
最初に挙げたアンケート結果でも、20代、特に20代前半のマンション購入者の割合は少ないですが、これは収入の安定や、ライフスタイルの変化など不確定要素が上の年齢層に比べてあるのかもしれません。
逆に50代後半となると、定年までの期間が短くなり、月々のローン返済が多くなりがちです。そのため、マンションの価格や頭金の額、ローン期間にもよりますが、30代後半~40代前半でのマンション購入をおすすめしています。しかし、今や人生100年時代。50歳からのマンション購入が遅いということは決してありません。もちろん、収入があればローンも69歳まで申し込むことが出来ます。
2つ目の理由として、30代後半なると、将来の生活設計を少しずつ考える時期になるということが挙げられます。これから先の生活設計をどうしていくか、どこに住んで生活するのかなどを考える時期を迎えるということが、マンション購入の一つのきっかけになりえるでしょう。
また、ここでポイントになるのは、ローンの返済期間です。仮に44歳でマンションを購入し、35年ローンを組んだとした場合、完済時の年齢は79歳となります。多くの金融機関ではローン完済時の年齢上限を80歳未満で設定しているので、少なくとも年齢という点だけで言えば44歳までは35年の最長ローンが組めるので借り入れできる額も増えて希望のマンションを購入しやすいといえます。
2016年の日本人女性の平均寿命は87.14歳、2050年の平均寿命は90.29歳(予想)とも言われています。
何歳まで賃貸マンションで生活するのか?ということを考えると、60歳で会社の定年を迎えたとしても、人生はまだ残り30年あります。ローンは終わりがありますが、家賃は生活している限り終わりはありません。
不安を感じながら60歳以降の人生を送るより、早くマンションを買ってローンを完済し、ローンの返済と、家賃の支払いのない生活設計を立てることが豊かな気持ちで過ごすために大切と言えます。
3つ目の理由として、金利が最低の今、賃貸マンションで生活している場合、これから先も支払う賃料や更新料の額を長期的に見ると、マンションを買ったほうがローンの支払いがあったとしても資産として残る点でメリットがあると言えます。
実際に、上記のアンケート結果でも、マンション購入理由として「家賃や更新料がもったいないと思った」という理由が最も高い割合を占めていました。後述する、早く買っても後悔しないための7つのポイントでも解説していますが、毎月の支払額を家賃と同額程度にすることで、生活レベルは変えることなく余裕をもって暮らすことができます。
楽しいショッピングや趣味の旅行などは、マンションを購入すると我慢しなければならないと考える人も多いかもしれません。
しかし、日々の楽しみを我慢してしまうのはストレスの源になります。マンションを買っても生活レベルを変えないことが重要です。
そのためには、毎月の支払額(ローン返済額+管理費+修繕積立金)を現在の賃料と同じくらいに抑えることで、マンションを買っても日常の生活を「我慢する」必要はないのです。ボーナス払いは不安定な要素なので考えず、定年までにローンを完済することを前提とし、随時、繰り上げ返済をしていくことでローン期間を短くし、支払う金利負担が減っていきます。
自分の年収から無理なく買える金額を算出するには、「女性のための快適住まいづくり研究会」代表小島ひろ美式計算方法を参照してみてください。年齢、税込み年収、自己資金から簡単に算出することができます。27年の経験から生み出された、誰にでも簡単にできる計算方法です。
物件の立地としては、通勤や買い物、遊びにも便利な都心がおすすめです。都心であれば便利なのはもちろん、将来、結婚や出産などで転職や転居することも考えると、売却時・賃貸で運用する時にも有利になるでしょう。
大まかな条件、目安として
・東京であれば東京(大手町)駅から半径25キロ圏内
・大阪であれば大阪(梅田)駅から半径10キロ圏内
・他の地方都市であれば中心地から半径2~5キロ圏内
・複数路線が利用可能
・最寄り駅から徒歩8分以内
・広さ30㎡~50㎡
という物件であれば賃料収入も見込みやすく、売却もしやすいでしょう。自分の買おうとしているエリアの賃貸相場は必ずチェックしておきましょう。
立地と同様に重要なのが地盤です。地盤が悪かったり低かったりすると大規模な地震や豪雨など、災害時に非常に危険です。
・JR線の内陸側(JR線は地盤が固いところの端を走行している場合が多い)
・古墳、遺跡、神社、仏閣などの近く
は比較的地盤が良いでしょう。
逆に、
・海岸側の埋め立て地(島があった場所はOK)
・山を切り崩した土地
は地盤として良いとは言えず、要注意です。
また、なるべく2007年の6月に建築基準法の改定がされ、その後に企画された物件のほうが、耐震性の面でも安心できます。少なくとも1997年の阪神大震災以降に建築された物件のほうが良いでしょう。2000年(平成12年)には欠陥住宅をなくすために住宅品質確保促進法が施行され、以降の新築マンションには基本構造部分の10年保証が義務付けられるようになりました。
貯金の少ない人は中古物件のほうが安いので購入しやすいと思う人がいるかもしれません。しかし、実は中古よりも新築の方が資金面でも有利なことが多いのです。中古物件の場合、
・仲介手数料が必要となり契約時の諸費用が新築の倍以上必要
・毎月の管理費・修繕積立金が新築より高い場合が多い
・超低金利ローン(0.4~0.5%)が適用されない場合がある
・物件の担保評価が低くなり、ローン借入可能額が少なくなり、頭金が多めに必要
・最長の35年ローンが使えない物件がある
といった資金面でのデメリットがあります。貯金が少ないと諸費用がまかなえない、ということも考えられるため、逆に新築の方が購入しやすいということになります。
また、上述の住宅品質確保促進法は中古マンション購入の場合は適用されず、購入した後で何らかの不具合が見つかったとしても、自己負担で修理することになります。このように、古い中古マンションは見かけの安さで判断すると、思わぬ出費が発生することがあります。
女性がマンションを購入する際に考慮すべき点として、セキュリティの充実も外せません。
・玄関ドアの鍵が2カ所についてダブルロック
・ピッキング防止のディンプルキー
・インターホン(できればTVモニター・録画機能付き)
・オートロック
といったところをチェックポイントとして物件を見てみましょう。
最近では、留守中にもインターホンが携帯電話につながったり、エレベーターもキーがないと作動しないなどセキュリティを強化した物件も増えてきています。最低限、ダブルロックもしくはディンプルキーが設定されているところが良いでしょう。
間取りによって生活動線が異なるため、暮らしやすさが変わってきます。同じ専有面積(㎡)でも、長方形より正方形に近い間取りのほうが、廊下などのデッドスペースが少なく部屋も広く感じ、窓から入る光も部屋の奥まで届きやすいです。
また、女性はキッチンやバスルーム、パウダールームなど水回りですごす時間が長いので、そこがゆったりしていると寛ぎ(くつろぎ)感が増すでしょう。そして、収納スペースについては「収納が必要なところに十分な収納スペースが設けられていること」が重要です。
自分がその部屋で暮らす生活を思い浮かべて、毎日の生活動線を考え、快適にストレスなく暮らせるかという観点で間取り図を見てみましょう。
マンションを購入する際、気にしてほしい最後のポイントは不動産会社です。チラシなどに記載されている免許番号を見てみましょう。
「国土交通大臣(○)第□□□□号」といった表記で、カッコ内の「○」の数字が免許の更新回数を示しています。基本的には数が多い=更新回数が多い社歴が長く実績があると考えて良いでしょう。
ただし、単身者向けのマンションを選ぶ場合、投資物件をメインに扱っていたり、ファミリータイプがメインでそのノウハウがない、といった場合もありますので、単身者向けの分譲実績を確認しましょう。ホームページで会社規模や社歴、特徴を見てみるのもおすすめです。有名な建築家が大きく載っていたり、強く女性を意識したイメージ戦略のチラシを作ったりしている不動産会社は、広告費に無駄にお金をかけている可能性もあり、あまりおすすめできません。
今回は、女性のマンション購入に関して、何歳ぐらいで買っているケースが多いのか、購入の理由や背景にはどういったものがあるのか、そして購入にあたって気を付けるべきポイントはどこかという点について解説しました。
現在は女性向けの住宅ローンや、マンションが発売され不動産業界も積極的に女性のマンション購入を応援しているので年齢に関係なく女性のマンション購入が進んでおり、以前に比べてハードルはぐっと下がったと言えます。自分に合ったマンションをうまく選ぶためには、今回紹介した7つのポイントをしっかり意識して物件を探してみてください。