年収300万円のマンション購入は可能?女性でも組める住宅ローンの金額は?

年収300万円のマンション購入は可能?女性でも組める住宅ローンの金額は?

女性の全国平均年収は約300万円と国税庁の調査で発表されています。一般的な年収の女性がマンションを購入するのは難しいでしょうか?住宅ローンはいくらまで組めるのでしょうか?年収200万円から借りられる額と返済額等についても解説しています。

年収と住宅ローンの関係

予算の考え方について

マンション購入のために最も重要視しなければならないことは、立地条件でも、間取りでもありません。一番大切なのは、資金計画です。

高額な部屋のモデルルームほど、すばらしいのは当然。無理をしないでいくらのマンションを買えるのか、それを知らなければ自分に合ったマンションに出会うことも難しくなってくるでしょう。

現在の年収と月々のお金の使い方を基にして、どれくらいのマンションだったら無理なく自分に買えるのかを計算してください。予算より高い物件は目の毒だし、予算より低い物件は時間の無駄です。

小島ひろ美式簡単計算法

税込年収に返済負担率30%~35%をかけて出した年間返済可能額を12で割り、“小島式係数”で割ります。

そうして出したローン借入可能額に自己資金を加え、諸費用を引いた金額が、あなたが購入できるマンションの予算ということになります。

年収200万円女性のマンション購入

40歳年収290万円の派遣社員Kさんの場合

購入価格:2500万円 (自己資金1400万円)
月々の返済額:約4.5万円+管理費等

住み慣れた実家を出ることになり、マンション購入を考え資金計画を立てることにしました。仕事は派遣社員で年収は300万円に届きません。住宅ローンの審査を通るには最低でも300万円の年収が必要、という話はよく聞いていましたから、住宅ローンを組むことは無理かもしれないという不安がありました。家族もマンション購入に反対し、今のまま暮らせばいい、という考えです。

予算の考え方について

しかし、実家にいたので、コツコツ貯めてきた貯金はそれなりの額になっていました。自己資金が多ければ受け入れ可能な金融機関もあるとわかり、マンション購入の夢が具体的に描けるようになりました。

また、家族には資金計画のシミュレーションを見せて説明し、実際にモデルルームを見てもらうことにしました。行く前には反対していた家族も、きれいで、最新の設備が備わった部屋に考えが変わったようです。「いいお部屋だね」と納得してくれたのです。

問題は銀行のローン審査でした。そこで、事前審査の書類と一緒に、今後の返済計画について資料を作成し、繰り上げ返済や老後の返済をどのように考えているかも詳しく説明する作文を提出しました。作文を書くことで、自分自身を見つめ直し、今後の人生についてもしっかり考えるいい機会になったと思います。

年収300万円女性のマンション購入

36歳年収300万円の契約社員Nさんの場合

購入価格:2318万円(自己資金500万円)
月々の返済額:約6万円+管理費等

契約社員という立場を考えれば、この先も収入が上がる見込みはほとんどなく、本当にマンションを買ってやっていけるのか、不安が募りました。しかし、資金計画を細かく立て、私の状況でも買える新築物件があることが分かったのです。

すでに完売している物件でしたが、直前にキャンセルが出たというもので、実際のお部屋を見ることが出来ました。思わずその場で気に入り、不動産会社に伝えました。しかし今の賃貸の家賃とほぼ同額とはいえ、管理費や修繕積立金が2万弱、今までより多くかかります。

その心配を不動産会社に正直に相談したところ、諸費用を一部負担、その分のローン額を減らしてくれることになり、さらにモデルルームの家具をサービスしていただくことになりました。9月の半期決算前で営業マンの方も売るために必死だったようですが、正直な気持ちで相談したことが功を奏しました。

30歳年収330万円の派遣社員Sさんの場合

購入価格:2700万円(自己資金50万円)
月々の返済額:約7万円+管理費等

マンションを買おうと思ったときは、付き合っていた彼氏と同棲をしていました。私は家賃を払っていなかったのでいわば居候です。この先彼と結婚するかどうかも分からないし、将来のことはわからないけど、とにかく自分がくつろげる場所が欲しいと思って、マンション購入を考え始めました。

「本当に私が買えるのかな?」という不安はありました。なんせ、貯金が50万円だけでしたから…。

でも、営業マンの方も一生懸命に努力してくれて、無事にローンを組める銀行を見つけることができました。また、居候生活でしたので、引き渡しの時までに諸費用分を貯金することが出来ました。引き渡し後に彼とは別れてしまいましたが、新しいマンションに住んで、新しく出直したほうがいいと決心できました。

年収400万円女性のマンション購入

29歳年収450万円の会社員Tさんの場合

マンション購入

購入価格:3600万円(自己資金50万円)
月々の返済額:約9.4万円+管理費等

今は資産価値の高い物件なら物件価格の100%をローンで貸してくれるとわかり、貯金の少ない私でも買えることが分かりました。最初に見たマンションは心の底から住みたい!と思えましたが、空住戸は5000万円の物件のみで、あなたの資金では厳しいと言われてしまいました。

その後何とか納得できそうな2500万円の物件でローン事前審査をお願いすると2300万円までしか貸せないという返事。「やっぱり今の私では無理なのかな」と思っていたところ、最初に見た物件の営業マンから同じマンションの4000万円のタイプでキャンセルが出たとの連絡が入り、すぐにローン事前審査をしました。

すると「3600万円までなら」という返事。やっぱりダメなのか…とあきらめかけたとき、営業マンが、400万円の値引きを決定してくれたのです!

後から聞いた話では、その営業マンは本社の部長でかなりの決裁権を持っていたそう。その部屋が最後の一戸で売り切りたい気持ちがあったようです。また、最初にモデルルームに行ったとき、資金は足りなかったけど「欲しい!」という気持ちをアピールして携帯のアドレスを教えていたのも良かったかもしれません。少し背伸びをして買ったマンション、とても気に入っています。

37歳年収480万円のフリーランスTさんの場合

購入価格:2528万円(自己資金258万円)
月々の返済額:約6万円+管理費等

フリーランスのシステムエンジニアをしている関係で、住んでいた賃貸マンションは資料の山、また駅からも遠かったため、くつろげる空間としてマンション購入を考えるようになりました。

まずは不動産会社の提携する信用金庫でローンを組むと、条件として300万円の定期預金が必要なことや、繰り上げ返済にも手数料がかかることも分かったのです。とはいえ、フリーランスは収入が不安定で、金融機関の厳しい検査は覚悟していました。

フリーランスは不安定だからこそ、返せるときに繰り上げ返済をどんどんしていかないといけないと考えていたので、不動産会社の担当者にそのことを伝えると「フリーランスの人に貸してくれるところは、他にはなかなかないですよ」という冷たい態度です。あまり協力的ではない担当者の上司に直談判し、担当を変えてもらうことにしました。

その相談した上司は経験豊富で、話がすんなりうまくいくようになり、ネット上で繰り上げ返済の手続きができて手数料もかからない銀行のローンに申し込んだ結果、無事に希望する額のローン審査に通ったのです。

おかげで、これまでの3年半に、すでに200万円の繰り上げ返済を済ませることが出来ました。今のマンションは最初から資料や家具を置く配置を考えて入居したので、だいぶすっきりし、これまでの雑然とした部屋がうそのようです。以前に比べてはるかに効率的に、仕事も家事もこなせています。

ローンを組む時に注意すること

いまの家賃より支払額が上がらないこと

ローンを組む時に注意すること

失敗しないマンション購入のポイントは、いまと同じレベルの生活ができる資金計画=ローンの返済計画を立てること。つまり、いままで賃貸に払ってきた家賃並み、もしくは実家に入れていたお金と毎月確実に貯金に回してきた金額の範囲で収まる返済額に抑えておく必要があります。

高い金利のかかるリボ払いやキャッシングをしたこともなく毎月の収支が赤字になっていないほとんどの人なら、このレベルを保っていけば無理なくマンションを買うことが出来ます。

ボーナス返済よりも繰り上げ返済

毎月の余ったお金やボーナス、満期の保険・定期預金が満期になったとき、親から財産分与があったときなど、お金に余裕ができたら「繰り上げ返済」をしていけば、それだけローン残高が減りますので、その分、利息も断然少なくなっていきます。

月々1万円でも、繰り上げ返済に回していきましょう。月々の返済額に余裕を持たせておけば難しいことではありません。いまは、銀行にお金を預けていても、ほとんど利息もつかないし、株式や外貨預金などは失敗するリスクもあります。それよりも繰り上げ返済でトクする金額の方がはるかに多いのです。

まとめ

マンション購入を考える上で最も重要なことは、立地条件でも、間取りでもありません。一番大切なのは、資金計画です。

現在の年収や月々のお金の使い方を基にして、どれくらいのマンションだったら自分に変えるのかを計算してください。失敗しないマンション購入のポイントは、いまと同じ生活ができる資金計画=ローンの返済計画を立てること。

つまり、いままで賃貸に払ってきた家賃並み、もしくは実家に入れていたお金と毎月確実に貯金に回してきた金額の範囲で収まる返済額に抑えておく必要があります。

また、お金に余裕ができた時には「繰り上げ返済」をしていけば、それだけローン残高が減りますので、その分利息も断然少なくできるのです。繰り上げ返済で早く返済して、払わなくてよくなった利息を貯金に回したほうが断然賢く、トクする金額もはるかに多いのです。

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