女性の一人暮らしの防犯対策!安心安全を維持するために必要なこと

女性の一人暮らしの防犯対策!安心安全を維持するために必要なこと

女性が一人暮らしをするときに気になるのが防犯対策です。暮らしを安心、安全に守るために気を付けたいこと。そして防犯がしっかりした住まいの条件はどのようなことがあるのでしょうか?防犯に効果的な設備や心構えなど活かせるノウハウをご紹介します。

住宅で起こる犯罪の実態について

戸建ての犯罪が41%

警察庁が住まいの防犯情報を提供しているサイト「住まいる防犯110番」によると、侵入窃盗の認知件数は、平成15年をピークとして減少に転じています。しかし、それでも平成29年の認知件数は全体で7万3122件、住宅対象の侵入窃盗は3万7027件と、1日当たり約101件の窃盗が住宅で起きている計算です。

侵入・窃盗があった住宅の内訳を見てみると、一戸建て住宅が41%、3階建て以下の共同住宅が11.9%、4階建て以上の共同住宅が4.4%と、一戸建て住宅での侵入・窃盗被害が最も多くなっています。

また住宅への侵入窃盗の手口認知件数を見ると、空き巣35%を筆頭に忍び込み13.1%、居空き2.6%と続いていて、留守中はもちろん、在宅中であっても、窃盗被害に遭う危険は少なくありません。

つまり、3階建て以上の共同住宅が最も安全と言えます。

次に、侵入強盗の発生場所認知件数を見ると、商店が40%と大半を占めています。

住宅への侵入強盗は窃盗に比べると少ないものの、一戸建て住宅が9.1%、3階建て以下の共同住宅が5.5%、4階建て以上の共同住宅が5.4%で、やはり一戸建て住宅で多く発生しています。

これらの結果を見ると、一戸建て住宅に比べマンションやアパートなど共同住宅であれば、窃盗や強盗に遭うリスクは低いと思いがちです。しかし共同住宅であっても被害がないわけではありません。逆に共同住宅は、一戸建て住宅のように個人の判断だけでできる防犯対策が限られてしまうというデメリットがあることを意識する必要があります。

侵入犯罪の手口

窃盗被害に遭わないための防犯対策を行うには、窃盗犯の侵入手段、侵入口を知っておくことが大切です。ここでは、平成29年の窃盗犯罪における侵入手段、侵入口で多かったものを一戸建て住宅、共同住宅(3階建て以下、4階建て以上)に分けて見てみましょう。

侵入窃盗の侵入手段(一戸建て住宅)
無締まり(施錠されていない部分から侵入すること):45.4%
ガラス破り:38.2%
ドア錠破り:2.6%
その他の施錠開け:1.7%
合かぎ:1.6%
戸外し:0.6%その他:4.8%
不明:4.7%



侵入窃盗の侵入手段(共同住宅・3階建て以下)
無締まり:45.6%
ガラス破り:32.5%
ドア錠破り:1.7%
その他の施錠開け:3.2%
合かぎ:6.8%
戸外し:0.3%
その他:3.0%
不明:6.9%



侵入窃盗の侵入手段(共同住宅4階建て以上)
無締まり:45.9%
ガラス破り:19.4%
ドア錠破り:2.3%
その他の施錠開け:2.3%
合かぎ:20.8%
戸外し:0.1%
その他:5.3%
不明:3.8%



侵入窃盗の侵入口(一戸建て住宅)
窓:57.6%
表出入口:17.5%
その他の出入口:17.1%
非常口:0.2%
その他:1.8%
不明:5.8%



侵入窃盗の侵入口(共同住宅・3階建て以下)
窓:56.9%
表出入口:32.7%
その他の出入口:3.2%
非常口:0.1%
その他:1.1%
不明:5.4%



侵入窃盗の侵入口(共同住宅・4階建て以上)
表出入口:52.4%
窓:34.9%
その他の出入口:1.4%
非常口:0.2%
その他:1.8%
不明:9.4%



この結果から、一戸建て住宅であっても共同住宅であっても、出入り口や開口部の施錠をしっかりと行うことで、窃盗被害に遭う危険性を軽減できる可能性が高まります。特に4階建て以上の共同住宅では表出入口からの侵入が多いため、カギをかけ忘れないことが大切ですので、防犯対策もしやすいといえるでしょう。

女性を狙う犯罪の傾向

平成29年7月、警視庁が発表した「平成28年の犯罪情勢」によると、平成28年の犯罪認知件数は78万7929件です。そのうち女性の認知件数は26万171件です。犯罪の種類で見ると、窃盗が17万6478件で全体の約68%を占めています。

窃盗の内訳を見ると、ひったくりや色情狙いのほか、職権盗において女性の被害が多く、被害者の80%近くが女性という結果になっています。

職権盗とは、例えば役場や清掃会社の職員を装い、ごみ置き場の場所が変わったなどといって住人を連れ出すと、その間に共犯者が家に侵入し金品を盗み取るといったものです。また近隣の住民を装って「植木鉢が倒れています」「洗濯物が外に落ちてきました」といって連れ出す手口も多く見受けられます。

さらに直接、家に訪問する以外にも電話を使って誘い出すケースもあります。どれも一人暮らし、もしくはほかに在宅者がいない時間帯の女性を狙った犯罪です。特に職権盗は犯罪件数が減少傾向にある現在において、いったんは減少したものの、平成25年から再び増加している犯罪です。

住まいに関する抑えておきたい防犯対策

TVモニター付きインターフォン

新築の一戸建てを購入する、共同住宅に入居するなど新たに住まいを選ぶ場合、特に女性であれば気をつけておきたいのが防犯対策です。ここでは、防犯対策、グッズについてご紹介します。

近年、戸建て、共同住宅にはTVモニター付きのインターフォンが設置されていることが多いですが、古い共同住宅などに付いているのは、TVモニターのないタイプが多いです。インターフォンだけでは、相手の顔が見えないのがデメリットで、そこにどういった人物がいるのかわからないためとても危険です。

モニターがあれば外の状況がすべてわかるというわけではありません。しかし、少なくともインターフォンを押した人が「どういった人物か」ということを確認できるだけでも、防犯対策になります。 また、営業の押し売りなどにも、居留守を装い出ないこともできます。

侵入する側もTVモニターが付いていると警戒するので、抑止力効果も期待できます。インターフォンは必ずTVモニター付きのものにすることが重要です。

最新のオートロックがついた分譲マンションでは、建物のエントランスにTVモニター付きのインターフォンが設置されているほか、不審者が侵入しないように管理人がいますが、賃貸マンションではセキュリティは大家さんまかせになっており、分譲マンションに比べ劣るケースがほとんどです。

宅配ロッカーの設備

忍び込みや居空きを防ぐには、できるだけ自宅玄関に見知らぬ人物を近づけないようにする必要があります。昔のような訪問販売がほぼなくなった今、見知らぬ人物が自宅玄関に近づいてくる可能性は減っていると思われるかもしれません。現在は、訪問販売ではなくテレビやネット通販などによる宅配便の数が増えています。

「自分は、ネットなどで買い物をしないから問題ない」という場合であっても、「○○さんからの贈り物です」と言われてしまえば、つい玄関を開けてしまうこともあるでしょう。

また、自分で注文した商品を待っている場合も注意が必要です。最近は宅配便を装った詐欺や窃盗が増えていて、玄関先に立っているのが必ずしも本物の宅配便業者であるとは限りません。

そこでおすすめしたいのが宅配ロッカーです。

宅配ロッカー(宅配ボックス)は、受取人が留守で宅配便や郵便物を受け取れないときに、受け取りを代行してくれるロッカー型の設備です。元々は仕事が忙しくて家に帰るのが遅い、頻繁に通販を利用するといった人に向けた設備でしたが、仮に自宅にいたとしても、「宅配ロッカーに入れておいてください」と言えば、自宅玄関に宅配業者が来ることがないため、防犯対策としても活用されるようになっています。

オートロックと1ドアツーロック

先述したように一戸建て、共同住宅にかかわらず、侵入窃盗の一番の侵入手口は無締まりです。つまり、玄関の施錠をしっかりと行うことが最大の防犯対策であるということです。

そのために、カギのかけ忘れには十分に注意したいところです。

しかし、忙しい朝や疲れて帰宅した夜、多くの荷物を持って帰った日など、ついカギを閉め忘れてしまうこともあるかもしれません。

施錠について不安がある場合は、オートロックがおすすめです。

オートロックはホテルなどで採用されている施錠の仕組みで、ドアを閉めると自動でカギが閉まるので、カギのかけ忘れを防ぐことができます。

また、玄関のカギでもうひとつおすすめは1ドアツーロックです。

都市防犯研究センターの調べによると、窃盗犯が侵入をあきらめる時間として2分以内が17.1%、2分~5分以内が51.4%で、2分を越える半数が侵入を断念していることがわかります。

玄関のカギを1つではなく2つにすると侵入に手間がかかるため、窃盗犯が侵入する可能性を大幅に軽減できる可能性があります。

窓、ベランダ防犯対策

窃盗犯の侵入口として最も多く使われているのが窓です。

そのため、戸建てや共同住宅の1~3階に住んでいる場合は、窓の防犯対策を十分に講じることが大切です。しかし、防犯対策とはいえ、窓をすべて破れにくい防犯ガラスに変更することは予算の面でも難しいでしょう。特に共同住宅の場合、引っ越すことになっても、せっかく設置した防犯ガラスを外して持っていくことはできません。そこでおすすめなのが防犯フィルムです。防犯フィルムは、既存の窓ガラスの内側に張るだけなので施工が簡単です。

なお、防犯フィルムを買うときは、飛散防止フィルムと間違えないようにしてください。これらフィルムの違いは厚みです。飛散防止フィルムは通常、77ミクロンですが、侵入者がガラスを割らないための防犯フィルムは327~567ミクロン程度のものが必要です。

またフィルムとはいえ、防犯フィルムは剥がすのが簡単ではないため、賃貸住宅の場合は退出時にそのままにしてもよいかなど、事前に管理人に相談しておきましょう。最近の分譲マンションの場合はほとんどがペアガラスになっていて、結露の防止にもなり、安全対策にも一役買っています。

窓以外、ベランダの作りにも注意が必要です。ベランダの囲い部分が格子状ではなくコンクリート壁の場合、侵入者が入り込んでしゃがんでしまえば外からはその姿は見えません。

防犯対策としては、分譲マンションの場合、1階部分はベランダに当たるようにセンサーライトを設置したり、2階以上は外からも見えるバルコニーの手すりガラスや格子で企画される場合が多いです。侵入者に対する抑止力が働きます。また可能であれば女性の一人暮らしであることに気付かれないため、洗濯物は浴室乾燥機で干すとよいでしょう。

周辺環境の確認

犯罪被害に遭わないためには、家の中だけではなく周囲の環境にも注意を払う必要があります。

例えば共同住宅であれば、そこに住んでいる人にはどういった人がいるか。エレベーターの中の様子がわかるように、共用廊下のエレベーター乗降場所にTVモニターが設置されているか。郵便受けが簡単に開けられないようにダイヤルタイプになっているかなど、しっかりと確認しましょう。

分譲マンションの場合は、郵便や宅配物はオートロックの外から業者が入れて、居住者はオートロックの内から取り出せるように工夫がされています。

また、ゴミ捨て場や廊下、階段などで周囲から見えない死角が多い場合、日中は問題なくても、夜になって暗くなると危険が増えます。できるだけ明るく死角がない、外部から人が侵入できないオートロックの内に監視カメラが設置してある共同住宅を選ぶことが重要です。

賃貸で借りる場合も、分譲マンションの賃貸貸しの方がセキュリティは断然安心です。

一戸建て、共同住宅にかかわらず、オフィス街や古い商店街の近くは、日中は人が多くても夜になると急に人がいなくなることがあります。家を探す際は昼だけではなく、必ず平日、休日の夜に家の周辺を回って危険な場所がないかどうかを確認しましょう。

基本的に「最寄り駅から大通りを通って家まで帰れる」「コンビニなど深夜も営業している店があり、夜になっても明るい通りが多い」といった地域は、暗い夜道を歩く不安が軽減されます。 女性が安全で住める駅には塾が多いです。子供が夜8時から10時に帰宅するときも安全だという理由からです。また、お花屋さんや美容室が多いのも特徴です。

ただし夜でも人が多く駅からも近いからといって繁華街周辺を選ぶのは、治安が悪い場合が多いので注意が必要です。

安心安全を守るために注意すべきポイント

1階は避けること

戸建てだけでなく、共同住宅も1階は侵入しやすいため、犯罪被害に遭う確率が高くなります。

1階に住むデメリットは防犯面だけでなく、プライバシーの問題もあります。1階の部屋などは通りを行きかう人と目線が同じで、窓から家の中が見えてしまう可能性があります。

犯罪被害を受けるのは女性が多いという結果があるように、女性が住んでいるとなれば、それだけで窃盗犯などに狙われる危険性が高まります。

防犯面、プライバシーの面から、女性が1階に住むということは多くのデメリットを抱えることになります。

それでもどうしても1階に住まざるを得ない場合は、道路に面した場所に大きな窓がない家を選ぶ。それも無理というのであれば、せめて窓に格子がついている物件を選ぶようにしてください。そのうえで防犯フィルムを張りましょう。

1階でもベランダはありますが、洗濯物は外に干すのは控える、ベランダ用のサンダルは男女兼用タイプを置くなど、できるだけ女性が住んでいるということがわからないようにしましょう。

最近の分譲マンションでは、スマホで電気をつけたり消したりすることができるので、外出先からも留守ではないように見せかけたり、玄関の施錠を確認して締めることができるマンションも発売されています。

セキュリティを過信しないこと

一人暮らしをする際、安心安全を守るためには、セキュリティを過信しすぎないことも重要なポイントです。あらゆる防犯対策を施したとしても、100%安全ということはありません。

例えば、「オートロックのマンションに住んでいるから、不審者が入ってくることはないだろう」と思うかもしれません。しかし、住人の出入りに紛れる、宅配便やガス、水道の点検業者を装うなど侵入する方法はいくらでもあります。

また一人暮らしの女性を狙い、正面出入り口からではなく、非常階段から侵入したという事件も実際に発生しています。非常階段の柵の状態や、Wオートロックやエレベーターにもセキュリティがかかるような点も確認してください。

女性の一人暮らしだと悟られない注意を

自宅にいて、いきなり見知らぬ男性が侵入してくれば、想像以上の恐怖を感じます。こうした危険を避けるためには、できる限り女性が一人で暮らしていることを悟られないように注意する必要があります。

以前は女性の一人暮らしと悟られないため、洗濯物を干す際にわざと男性もののシャツを混ぜて干すといった方法がありました。しかし最近ではこの方法はかえって危険であることが指摘されています。

その大きな理由として挙げられるのが、「窃盗犯は一度見ただけでその家に侵入するかどうかを決めているわけではない」ということです。

そのため洗濯物で男性が住んでいることを装うためには、下着だけではなくジーンズなど複数の男性ものの服を用意しなければなりません。このような手間を考えると、洗濯物は浴室乾燥機や部屋干しにした方が効率的で安全性も高くなります。

まとめ

機能や設備で安心せず、防犯に対する心構えが大事

ここまで女性が一人で暮らしていくために気をつけるべきことについて、いろいろとご紹介してきました。多くの女性は男性に比べて力が弱く、犯罪被害に遭ってしまうケースが多くなります。

しかし、今回ご紹介したように、窃盗犯の侵入手段である「無締まり」「ガラス破り」「ドア錠破り」などはそれぞれ「オートロック」「防犯フィルム」「1ドアツーロック」などの防犯対策を施すことで、被害に遭う危険を軽減することができます。

そういった意味でも、女性で一人暮らしをする場合は、住みやすさや家賃の安さなど選択肢はいろいろとありますが、多少家賃が高くても防犯対策がしっかりと講じられている分譲マンションを選ぶことをおすすめします。分譲マンションは住民の方の防犯意識も高く、管理組合の開催や、日常であいさつを交わすなどのコミュニティー形成も図られています。

防犯面への対策が整った住居を選択したうえで、さらに油断することなく防犯に対する心構えをきちんと持つことが大事です。

最新の防犯設備であったとしても、明日になれば新たな手口で窃盗犯に破られてしまう可能性もあります。簡単なことではありませんが、常に最新の情報を確認し、何があっても対応できるようにすることが、犯罪から身を守るためには大切だと言えるでしょう。

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