Chapter3 マンション購入編-その2 物件選び

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図そしてだんだんと、通りに面したマンションも悪くないな、と思うようになっていった。
まず、1番の懸念事項である騒音は、二重窓にするなど、防音対策が嵩じられている。窓を閉めてしまえば、外の音は気にならないらしい。窓をあけて爽やかな風を取り入れることはできないだろうが、よくよく考えてみれば、今までだって、窓をあけることなんて、ほとんどなかった。公害にしても、都内ならどこも50歩100歩ではないだろうか。大通りから10m奥にはいった場所と、30m上に上がったのと、どっちかきれいな空気なのか。もしかしたら、20m分、上の方がきれいかもしれないのだ。それに、建物の前が大きな通りだということは、以前のように目の前にマンションが建つということは有り得ないし、道路の反対側に建ったとしても、相当の距離があるわけだから、うざったいということにはならないだろう。通り沿いはほとんどマンションが建っているし、現地を確認したところ、新しく建つようなスペースはなかった。
また、大通りを歩いて帰ってこられるというのは、夜安心である。都内といえども、夜こわくないところはそうそうない。住宅街にしても商店街にしても、夜はし〜んとしてこわいのが常である。高層だし、上の方を買えば、眺望もよさそうだ。
これを有力候補にしようと思ったものの、この物件、モデルルームオープンの日が近づくと、必ず延期になるのである。何度裏切られたことか。企画がはっきりしないと、本当に私の買える部屋があるのかもさだかではない。ただ、この時は他に心ひかれる物件もなく、焦る必要もなかったので、気長に待つことにした。


図やっとのことで企画がはっきりした。二重床、二重天井、フローリングはLL45(フローリングの等級を表す)、床のスラブ厚(コンクリートの厚さ)は20センチだし、戸堺も20センチあるということなので、静かに暮らせそうである。それに、最上階に61uという、私に買えそうなお部屋があるという。何たる幸運!
最上階に住んでみたいな、と思ったことはあったものの、最上階といえば、普通は広くてお高いお部屋、と相場が決まっていて、とても私の出る幕ではなかった。なのに…舞台のまん中におどり出られそうなのだ。
早速、研究会の紹介状を手に(これがあるといろいろな特典を受けられる。私の場合は、1%引きだったが、1%をあなどってはいけない。千円のお買い物ではないのだ)不動産屋に出向いた。結局、モデルルームは造らず、常設のショールームがモデルルーム替わり、ということになってしまったので、いまひとつイメージがわきにくく不満だったが、なかなかよさげである。
「きめちゃおうかな〜」 と思った。なんせ、早いもの勝ちである。もたもたしてるまに、誰かに横取りされないとも限らない。ところが、ほぼ決めかけていたところに、が〜んとするような不動産屋の一言が発せられた。 「ペットも一緒に住めますよ」 ペット???ペットって何のこと、犬?猫?
別に犬や猫が嫌いなわけじゃないが、飼いたいほど好きではない。自分は飼わなくても、両隣、上下が飼う可能性は大である。壁でがりがり爪など研がれてはうるさいし、それに、躾の存在しない猫がベランダ伝いに我が家にやってくる様子が目に浮かぶ。おまけに、ベランダで犬の毛でもブラッシングされようものなら、抜け落ちた毛がふわり、ふわりと我が家に飛んでくるではないか。そんなのは我慢できない。
私の友達は、郊外に素敵な一軒家を買ったが、隣と前の家の動物公害に悩まされ続けている。私が名づけた「猫屋敷」の前の家は、猫を10匹以上も飼っていて、その猫が友達の家をトイレ代わりに使うので、におってきたり毛が飛んできたりと、大変なようだ。ガーデニングでもしようと庭を掘ったら、猫のう○○が出てきたこともあるそうだ。それはそうだ。猫というのは、きれい好きだからして、臭いがしなくなるまで土をかぶせるそうだから、自分の家で用を足したいしないだろう。そして、こちらも私が命名したお隣の「動物屋敷」は、猫2匹、犬2匹、それに鳥だの亀だの、いっぱい飼っていて、犬の毛をとかしても、抜けた毛はそのままの状態で、友達の家に飛んできて、いたく汚いらしい。隣を向いている玄関を開けると、ぷーんといやな臭いが漂ってくるそうだ。動物を飼っている人が皆、だらしないわけではないだろうが、こういうキケンも覚悟しなければならない。
う〜ん、だけど最上階を買えるチャンスは滅多にないし…。悩める小羊こと、雅子であった。みんながみんな、ペットを飼育するわけじゃなし、いくら禁止したって隠れて飼う人は必ずいるし、ペット飼育可、といってもいろいろと規則が厳しいらしい。いかなる理由があっても1匹に限るとか、体長50センチ以下とか、云々…。それに、、、自分がこのまま一人寂しくばあさんになったとき、ペットを飼いたくなることもないとはいえない。最上階ということは、上の部屋がないわけだし、被害を被る確率も大分少なくなるというものだ。だいたいこんな通りのそばの都会のマンションを買う人は、ファミリーというよりディンクスやシングル、ファミリーでも子供がある程度の年齢になっている人が多いにちがいない。いくらペット可、といっても、それが目当てで買う人は少ないだろう。ペットがいなくても、売り払ったマンションのように、隣が天童よしみで、歌は歌わないまでも、ばたばたと騒々しい、ということもありうるのだ。
「決断の時」であった。


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ボンジョルノー! お世継ぎ出産準備のため、年内休ませていただきます。(というのはウソです)
イタリアで遊んできたため、原稿のストックがなくなってしまいました。東京タワーをゲットするまでには、まだまだなが〜い道のりがあります。年明けには、更にバージョンアップした内容で登場したいと思っています。
それと、ついでですが、文中に挿入されている部屋の写真等は、私の部屋のものではありません。そのうちに、公開させていただくかも知れませんが。。。なんでこんなことを書くかというと、HP上の私にそっくりなかわいい似顔絵を描いてくれた友人のデザイナー氏(注:既婚子持ち)が、写真を見てセンスの悪いソファーだねー、とかうるちゃくいってくるので、そーか、そういうことを思う人もいるんだ、と思って申し沿えたわけです。 ……どーでもいいことですが、私の予想通り、ご旅行中に戦争が始まり、ミラノでは飛行機事故もありました(私は前日にミラノからベネチアに移動していた)。……ということで、しばしお待ちくださいませ!
チャオ!

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