Chapter1 マンション売却決意編-その1 日がささなきゃ、気分も日陰の女

1 | 2 | 3 次のページ→

ー シングル向けのマンションとは?

photo さて、私が今回購入したマンションは、新規で購入したのではなく、買い替えであっ た。 新規での購入であれば、もっと簡単に、すんなり事が運べただろうが、売って買うとなるとなかなか難しい、どころか、難問山積状態である。
 まず、なぜマンションを買い替えようと思ったか。 簡単である。単に、気にくわなかったから。
 旧物件も、都内城南地区にあり、会社までも近いし、便利だし、誰もがあこがれる地ではなかったけれど、それはそれなりによかった。(と思ったから買ったのであるが)
 95年の7月に入居し、55m2の広さもあり、引越したときは「トレンディドラマのヒロインみたい」と思ったものだ。それがなぜ気に入らなくなったのか。
 いくつかの理由があるが日当たりがいまひとつだった、ということも大きい。東向きなので、午後から夕方にかけての日当たりは望めないと思ったものの、なんだか常に部屋が薄暗いのである。これまでは東向きの部屋に住んだことがなかったので、こんなものかな、と思っていたのだが、ある日、ベランダに出て何気に隣の部屋を見たら、うちはもう日陰になっているというのに、隣にはまだ日が当たってるではないか。
 これはなぜに? すぐにわかった。マンションはコの字形に建っており、その東棟に住んでいたのだが、南棟が少々せり出しているため、その陰になり、暗くなってしまったのだった。太陽は、1日のほとんどの時間、南方面にあるわけだから、我が家が暗くなるのも当たり前だ。(これを、不動産用語で、自己日影ということを、後に知った)
 家にいる時間は短いし、そのほとんどが夜ではあるが、たまの休み、昼間なのに薄暗い部屋にいるというのは、気持ちがくら〜くなる。さらに、部屋の内装も追い討ちをかけた。
 全室フローリングなのはよかったものの、当時、結構はやっていた、こげ茶のフローリング、それに合わせたドア等は、落ち着いた雰囲気をかもし出してはいるものの、暗い部屋に暗い色の内装では、1+1が3になってしまうくらいの「暗さ相乗効果」を生みだした。


ー 次は、音の問題である。

図 ご理解、ご協力を得るために最初に述 ておくが、私は音に対して特別敏感でも鈍感でもない、ごくごく普 通の感覚の持ち主である。
移り住んだ当時、ソファーの座り心地 がいいので、ついついテレビを見て夜更かしをしていたのだったが 日曜の丑三つ時になると、必ずといっていいほど、上のお宅がベランダに洗濯物を干す音が聞こえてくる。
 日曜の真夜中に洗濯物を干すのもどうかと思うものの、そんなことは、どうぞご 自由に、と申しあげたいところである。が、そうもいっていられなかった。物干し竿を動かす音が、部屋の中にいる私の頭上でがんがん、はちょっとオーバーだが、結構響くのである。
 リビングにいても、その隣の寝室にいても同じようにうるさい。寝入りばなだと、目が覚めてしまう。(くらいの音だった)
 もうガマンできない、と思った私は、意を決して言いに行こう!と思った。だが…本当に上のお宅だろうか。ベランダの音が、なんで部屋の真ん中の天井から聞こえてくるんだろう?音というのは想像もつかないような伝わり方をすると聞いたこともある。万が一違っていたら、たいへんだ。
そこで私は、ちゃんと確認しようと、月曜の朝に夜中に干したはずの洗濯物があるか、外から確認した。やはり干してあった。だいたいにおいて、上のお宅は、夜遅く、11時頃になると、行動を開始する家だった。それまではし〜んとしているのに、11時頃になると、(べつにうるさいわけではないが)足音だの戸の開け閉めの音だのが、聞こえてくる。いったい、どういう職業の人なんだろう、と勘ぐりたくもなる。
 やっとのことで、私は上のお宅に苦情を言いにいったのであった。


図 この勇気ある行動により、うるさい、という問題は解決したものの、 たかが洗濯物を干すだけのことで、なんでこんなに 音が響くのか。納得いかないものを感じた。
 何はともあれ、これでまた静かな日々が戻った、と思ったのは甘かった。。。
 次なる騒音の主は隣。私の部屋は、リビング側は外廊下と接しているので、角部屋のようなものであるが(正式には角部屋とはいわない)、寝室側はもちろん、お隣と接している。
 ベッドは隣とは反対側の壁につけて置いてあったが、隣が朝、目覚ましがわりに、ステレオをが〜んとかけるようになったのである。昼間ならさほど気にならない程度の音なのかも知れないが、こっちは寝ているのである。うるさい。
 それに、こっちが起きる時間より30分も早く音が鳴る。毎朝自分が起きる時間より、30分も早くずんずんという音で起こされたら、誰だってあたまにくる。おまけに、隣は土曜も仕事らしく、せっかくの休みにまで起こされてしまう。
 このままほっといたら、私の安眠は妨害されたままになる。それは何年続くかわからないし、一生かも知れないのである。
 またまた勇気をふりしぼって苦情を言いにいった。苦情というと文句をつけにいくような印象を与えてしまうかもしれないが、ひたすら低姿勢で、「あの〜、ちょっとお願いがありまして…」といった口調に加え「もし、うちがうるさいようでしたら、遠慮無くおっしゃってください」で締めくくるという気の遣いようだ。
 苦情、いやお願いをしに行って初めて知ったのだが、隣は夫婦ではなく、兄妹という組み合わせだった。ずいぶん若い奥さんだな、と思っていた疑問も解けた。

↑ ページのトップへ戻る
<< 夢の東京タワー・ゲット物語トップへ戻る 1 | 2 | 3 次のページ→